アテネ最後の日

タヴェルナを出た後、周りの土産物屋をひやかす。
明かりに灯された店内には、彫像のミニチュア版がある。
調子に乗って一つくらい買おうかと思ったが、後で後悔しそうなので止めておいた。
ホテルに戻り、窓からライトアップされたアクロポリスを見る。
明日は帰る日だ。もうこの眺めも最後だ。

朝早く目がさめる。
濃いコーヒーをカスまで飲んだせいで眠りが浅い。それでも元気はいいからおめでたい。
窓から早朝のアクロポリスを愛でる。
この日はほどよく雲があり、それを太陽光線が下から朱色に照らしていた。西側の空はまだ夜の紺色を残している。アクロポリス上空のコントラストが美しい。

ホテルをチェックアウトし、アテネ市立博物館に行く。
ここには、暗い部屋の中、様々な時代のアテネの肖像があった。建物も少ない中、アクロポリスの丘だけは時を選ばす、ずんとたたずむさまが頼もしい。
国立歴史博物館にも立ち寄る。
ここには近代のギリシャの苦難の歴史をしのばせる品を展示している。

博物館を出、シンタグマ広場附近の戦士の墓に行く。
そろそろ兵士のパレードが始まる時間だ。