ロワールの真珠(アゼ・ル・リドー城)

トゥール3日目の朝、今日は観光バスで城を目指す。
この日も、放射冷却で寒いことは寒いが、雲ひとつない晴天だ。11月のフランス北部で3日連続快晴に恵まれたのはラッキーだった。
8時過ぎにオフィスドツーリズムの前に行く。ここで待ち合わせだ。
しばらくしてバスが来た。午前中はACCODISPOという会社のバスだ。
運転手はパスカルさんという愛想の良い青年だった。簡単な自己紹介をする。
自分以外のお客さんはボリヴィア人の真面目そうな若夫婦だけだった。奥さんは英語もフランス語もできるようだったが、旦那さんはフランス語は分からないようだった。
車はトゥールの街中を抜け、ロワール川を渡り、フランスの大地の中を進んでいく。木々の朝露がまぶしい。パスカルさんの解説を聞きながらバスは走る。

バスは小さな街に入っていく。第一の目的地、アゼ・ル・リドー城だ。
堀に囲まれた、小さな城だ。周りは木々の多い庭園になっており、うっそうとした中、品のある美しさを漂わせている。いかにも「森の中のお城」という感じだ。
まず城の中に入る。さまざまな調度品があるが、結構盗まれているらしい。警備するのも大変だろうなと思う。
内部を出て、城の周りをゆったり歩く。
フランス北部の緯度は日本より遙に高い。斜めからの太陽光線が、黒い屋根と白い壁を照らす。そして堀の水面に城を映し出していた。
美しさになごりを惜しみながら、バスに戻る。
次はロワール河沿いのヴィランドリー城だ。