城とワインとジャンヌのシノン

シノン城内を散策する。
まず、ジャンヌが初めてシャルル7世に会った大広間跡に入る。
いまや、ほとんど廃墟となっているが、ここが出会いの場だと思うと感慨深いものがあった。
ジャンヌダルクを扱った、映画やドラマで有名な場面である。性悪そうなシャルル7世は、ほかの者に自分が座るべきところに座らせ、ジャンヌをだまそうとするが、それをはっきりと見破るのであった。
城内のいろいろな搭を見学する。このうち、ル・クードレ搭に、ジャンヌダルクが滞在したそうだ。ここは地下にも降りていける階段もあった。

一通り歩きまくり、城を離れ、川辺に下り、橋を渡る。
観光パンフレットに、ここからの城の眺めが一番いいですよ、とあった場所で写真を撮る。橋の少し西側だった。
また少し東に動き、橋も入れて写真を撮った。
川があり、並木があり、その上に長細い、廃墟に近い城がある。ちょうど夕陽に照らされ、なかなか味のある風景だった。
いい城及び城下町の条件は、登って下を眺めてよし、下から城を眺めてよし、の両方がそろっていなければならない。シノンはまさに合致する。
再び橋を渡り街中に戻る。
ワイン博物館もあったが、シーズンオフということもあり、残念ながら開いていなかった。
また他の土産物屋などの店も夕方で開いてなかったので、駅方面に戻る。

駅前におっさんカフェ(タバコ屋なども兼ねているカフェ。パリの同僚女性が命名)があったので入る。
ここでシノンのワインを頼み、せめてもの感慨に浸る。
時間が来たので駅構内に行く。背広姿で人を待っていた兄ちゃんがいたが、なぜかこの駅構内には場違いだった。
電車はトゥールに戻っていく。外はすっかり暗くなっていた。
トゥールのバイキング式のレストランで夕食を取る。ここでもワインをたくさん飲み、一日を思い出しつつ、疲れを癒すのであった。