マキアヴェッリの謎の微笑(ヴェッキオ宮・フィレンツェ)

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塩野七生先生のように
「わが友」と呼べるほど偉くなく
イタリア流に
「わがマエストロ」と呼べるほど
思想を理解しているわけでもなく
かといって関西流に
「わがオッサン」と呼ぶには
あまりにも失礼すぎるため
とりあえず
フィレンツェのわがおじさん」と
マキアヴェッリ様を
呼ばせていただきます

ヴェッキオ宮の百合の間から
入ったところにある
かのマキアヴェッリの執務室
北側の窓からの光に照らされている肖像画
官服でかしこまっているけれど
口もとにはかすかな微笑み
権謀術数の権化のような
君主論」の作者というだけなら
その微笑の意味はわからないけれども
塩野先生の本を読ませていただき
マキアヴェッリの意外と愉快でおめでたい一面もわかれば
なんとなく理解したような気持ちになる
冬のフィレンツェの陽に照らされた
生粋のフィレンツェのおじさんの
謎の微笑み