母と二人の息子の群像(ストラスブール・共和国広場)

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もうあと数日で
ストラスブールを離れるという
ある夏の朝
空は夏らしからぬ
曇った表情
寝ぼすけな自分には珍しく
早起きをして
石畳の旧市街を横切り
たどりつくは「共和国」広場
プラス・ドゥ・ラ・レプブリク

円形の広場をなぞるように歩いたり
対角線に歩いたりして
まわりに建ってる
ライン宮殿や国立劇場ファサード
そして整えられている、あざやかな花を愛でる

広場の中央には「ピエタ」のごとき、白き彫像
悲しむ母と、息子が一人、また一人
一人はフランスのため
そしてもう一人は、ドイツのために
戦死を遂げた息子たち
アルザスの悲劇の歴史を
忘れるため、そして決して忘れないために
残された彫像

アルザスで過ごした夏も
もう、あとわずかで去っていく