ロシアはヨーロッパか

ソビエト大横断1万4千キロ―バイクで走った、見た、話した
瀧澤一郎 著
文藝春秋
1991年9月10日 第1刷

新ロシア紀行 見たこと、聞いたこと、読んだこと
聴濤弘 著
新日本出版社
2004年2月15日 第2刷

ロシアはヨーロッパなのか、とよく思うことがある
学校の地理の時間では、ウラル山脈を挟んで、ヨーロッパとアジアに別れると習った。
さらにロシアは、キリスト教圏でもあるし、欧州評議会のメンバーでもあるし、サッカーなどのスポーツでも主に欧州選手権などにも入っているし、年に一度のヨーロッパ歌揺グランプリにも参加している。
よって一応はヨーロッパなのだろうが、いわゆるヨーロッパ市民的感覚は少ないようだ。
ユーラシア大陸の北の、広大な大地ゆえ、どうしても感覚が異なるのは仕方ない事だろう。
ロシアはロシアであっていいと思う。
ただ、隣国ということもあり、気になることも多い。とにかくロシアの皆さんが幸せに暮らせることを祈ることくらいしかできない。

最近、図書館で二冊のロシア関係の本を借りた。
前者は、まだソビエトの時代、ゴルバチョフペレストロイカの時期に、大陸を横断したという勇壮な話である。
さすがにシベリアの方が悪路で、なおかつエピソードも多く、ページの割かれ方も多い。
シベリアへの最初の移民は、当時まだ鉄道も開通していない未開の地だったため、わざわざあ船に乗り、南の海を通って来た、という話を思い出した。
後者は、すでにプーチン大統領の時代に入った2003年に、ロシアを訪問した時のことをつづっている。
日本共産党関係の方が著者で、昔と比べながら、国家構造や知識人、歴史教育内容まで触れている。
今のロシアは総じて物はあふれているものの、経済構造もいびつで、資源頼みで、なおかつある程度の健全な資本主義には遠い感じがするとのことだった。