リスボンの夜は泣くが如し

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ロシオ広場を通り、サンタ・ジュスタのエレベーターに行く。
エレベーターがどうした、と思われるかもしれないが、これもリスボン名物である。
古めかしさが、風情があってよい、としておこう。
エレベーターにガチャ、と乗り、ガガガと上にあがっていく。(長島カントクみたいな表現だ)
上には展望台があり、先ほどのロシオ広場などの街並みを眺める事ができる。
しばらくそこにいると、雨が降ってきた。どうも天気がぐずついている。
エレベーターを離れ、一旦ホテルに戻り休む。

冬の日が落ちるのは早い。暗い中、夕食を食べに行く。
ホテルの近くに日本料理屋があったので行ってみる。
地図ではすぐわかりそうだったが、なにぶん坂道だったので、感覚が少し変になった。また人通りもほとんどなく、小雨の中寂しい雰囲気だった。
途中、明かりの下で男が立っている。
単に人待ちをしているのかもしれないが、麻薬の密売人あるいは男娼といっても変ではない雰囲気だった。少し避けて歩く。
お目当ての料理屋にたどりつく。しかし、正月2日目というためか閉まっていた。
仕方なく他のレストランを探す。
小さな店があったが、がらんとしていて、流行っていない肉屋のような雰囲気だったので入る気がおこらない。
探し歩いていくうち、道に迷ってしまった。
焦ってうろちょろしていると、坂を登るケーブルカーの駅を発見する。
ガイドブックの地図で名前を確認する。結構南の方へ来てしまったみたいだ。
沿線沿いを登り、近くにあるガイドブックに載っていたレストランを発見するが、混んでいたためここも諦める。少し前のマスターカードの宣伝のようにはいかなかった。
更に歩き、中華料理屋を見つけほっとする。
中に入り、ビールを飲み、中華料理を食べる。アジアの食がありがたい。心細さがやっとおさまった。

食事を何とか済まし、橙色の薄暗いライトのもと、小雨降るリスボンの裏通りを、ホテルに向かって帰っていく。