霧のリスボン

リスボンに戻り、暗い中、夕食を取りに行く。
場所は、前日は閉まっていた、ホテルの近くの日本料理店だ。岬をさまよい山に登り城跡をよじ登った後なので手軽に済ましたくなる。
前日と同じ道を通る。なぞの立ちんぼ男はこの日はいなかった。また雨も降ってなかったので、そんなに怖い感じではなかった。
店に入る。そこそこ高級な感じだ。てんぷら定食と日本のビールを注文する。
客は6割くらいは日本人だったが、ちゃんとした身なりをした現地の人もいた。
食事を済まし、お金を払う。ここでのレシート表示は、それぞれの料理はまだポルトガルの通貨で、合計金額のみユーロも併記されていた。

翌日、目を覚まし、窓から外を見る。
かなり霧が濃い。
とりあえず、エヴォラという街にでも行ってみようかと思い、アルコ・ド・セゴ・バスターミナルまで地下鉄に乗って行く。
サルダーニャ駅で降りる。外に出ると、オフィス街だった。霧が深く、ビルもかすんでいるような感じだ。
バスターミナルに着く。そこでエヴォラ行きのバスを探すが、どうもそれらしきバス乗り場がない。すぐに諦め、また地下鉄に乗り、ポンパル侯爵広場あたりの旅行案内所で、翌日のバスツアーの予約をする。
オビドス・アルコバサ・ナザレ・バターリャ・ファティマを回る1日コースだ。昼食は抜きにして、64.84ユーロだった。
こういうバスツアーはあまり得意ではない。知らない人と一緒にバスに乗るのは基本的に苦手だ。しかしながら効果的にいろんなとこを回れるのはありがたい。ダブリンやストラスブール、トゥールなどでも利用した。

支払いを終わり、ポンバル侯爵の高い像を見上げる。霧のせいで、バックのビル群がほとんど見えなくなっていた。白い背景のもと、侯爵はすっくと立っていた。