印象派を訪ねて

モネ 名画に隠された謎を解く

モネ 名画に隠された謎を解く! 吉岡正人 著 中央公論新社 2007年3月25日 初版発行 印象派の巨匠、モネについて、画家の目から評論している。 まず年ごとの代表作を紹介している。 ブーダンの影響を受けた18歳の時の風景画。 マネの「草上の昼食」…

すぐわかる 画家別 印象派絵画の見かた

すぐわかる 画家別 印象派絵画の見かた 2007年1月31日 初版第1刷発行 監修 島田 紀夫 発行所 株式会社東京美術 多くの画家、そして多くの作品を持つ印象派。 この本は、その膨大な内容を、豪華な執筆陣がコンパクトに解説している。 画家一人一人の…

幻のブーダン美術館(オンフルール)

印象派の画家に対し、先駆的な役割を果たしたウジューヌ・ブーダンは、ここオンフルールで、1824年に生を受けた。 パリでの3年間の修行の後、彼は空の研究に専心し、それを新しい絵画として表現した。 彼の絵は果てしない空と、ノルマンディの海岸、そ…

トゥールのベルト・モリゾ

トゥールのモダンな会議場から、大聖堂前の美術館に着く。 1892年、印象派の画家、ベルト・モリゾはこの美術館に立ち寄っている。 画家でもあり、またモデルでもあった彼女。神戸と東京で行われた「オルセー美術館展」でもポスターなどで、その美しい姿…

オルセー美術館展にて⑩頑固おやじセザンヌ

最後はセザンヌについて。 今回の展覧会では、おなじみのサント・ヴィクトワール山と、肖像画が展示されている。 何も知らない時に、セザンヌという名前を聞いたときは、きれいな名前だなと思ったが、いろいろ絵を見たり調べたりしていくうちに、とんでもな…

オルセー美術館展にて⑨寂しがりやのアルルのゴッホ

今回のオルセー美術館展では、ゴッホの作品は2作紹介されている。 ともに舞台はアルルである。 寝室とダンスホールをモチーフとしている。 寝室は、色は多様だが、構図は落ち着いている。 一方ダンスホールの作品では、うねるような人々が印象的だ。 ここア…

オルセー美術館展にて⑧ゴーガンの黄色いキリスト

今は「ゴーガン」の方が一般的になってきているように感じるが、(この展覧会の絵画集でもそうなっていた)昔は、もっぱらゴーギャンという呼び方だったと思う。 まさか彼の「倣岸」的な性格にあわせたわけでもなく、単に発音に忠実になっただけなんだろうな…

オルセー美術館展にて⑤ピサロ

シスレーの次は、カミーユ・ピサロの作品「赤い屋根、村のはずれの冬の印象」である。 他の画家たちはそれぞれ独自の道を進んでしまったが、シスレーとピサロ、この二人は最後まで本当の印象派の画家足りえた気がする。 ただ、シスレーは寂しく、弱々しく感…

オルセー美術館展にて④シスレー

続いてはアルフレッド・シスレーの「洪水と小舟」の絵を鑑賞する。 河はセーヌで、パリより下流になる、ポール・マルリーという町での出来事だ。 この建物及び並木は上記の写真のように現在でも残っており、右端には絵画紹介のパネルが見える。 たまたまパリ…

オルセー美術館展にて③(ブーダン・モネ)

1階の人物画を鑑賞した後、床に在る順路に沿い上の階にあがる。 その階のフロアは、「特別な場所」と題されている。 絵を見ていくと、ブーダン・モネ・シスレー・ピサロとほぼ並んでおり、自分のような印象派の風景画好きにとってはヨダレが出そうになる。 …

オルセー美術館展にて②

講演会の整理券を胸ポケットに入れ、1階に戻り、展覧会場に入る。 まず右手に、ベルト・モリゾの「ゆりかご」が見える。 眠る子供を見つめる、優しい母親の姿である。 第1回印象派展で他の作品が散々けなされる中、この作品は割と高評価だったのもうなずけ…

オルセー美術館展にて①

ルーブル美術館展に引き続き、今度は神戸市立博物館のオルセー美術館展に行く。 いかにも「芸術の秋」しているなあとしみじみする。 午前中所用があり、当日、博物館に着いたのはちょうど一時だった。 この日はオルセーの館長さんじきじきの講演があり、美術…

パリ・マルモッタン美術館にて

パリの美術館の中で、どこが一番お勧めか聞かれることがある。 もちろん、その人の好みによって違うため、どこが一番かなんて簡単には答えられない。 しかし、単に自分の好みから言うと、マルモッタン美術館と即座に答える。 16区、地下鉄の駅を降りて、公…

シスレーの跡を訪ねて②モレ・シュル・ロワン その2

何と、シスレーの絵のモチーフになった橋の上を、ラクダが渡っているのだ。 まったく意外な風景だった。 もちろん、ラクダと一緒に、人間も歩いている。ただ服装が少し変だ。 慌てて、橋の方に向かう。 橋のたもとで、ユニークなパレードの内容を間近で観察…

シスレーの跡を訪ねて②モレ・シュル・ロワン編

パリ・リヨン駅から郊外電車に乗りモレ・シュル・ロワンに行く。方向は宮殿で有名なフォンテーヌブローと同じである。 森の間を抜け、フォンテーヌブローの駅を通り過ぎ、Moret-Veneux les Sablon駅に着く。ここからてくてく歩きモレ・シュル・ロワンの街を…

ポンタヴェンの黄色いキリスト

モンサンミッシェルを遠くに眺めるホテルをチェックアウトする。 ホテルから、バスに乗るため、歩いてモンサンミッシェルに向かう。 島まで戻らなくても、そのバスがホテルの前を通る時、手をあげれば乗せてくれるのでは、との意見もあったが、世の中そんな…

ローマ遺跡とゴッホの町 アルル

ニームに行った次の日、アヴィニョンからアルルに行く事にする。 前日バスに乗り、プロヴァンスの田舎をのんびり眺めることができたことに気をよくして、再びバスで行こうとした。しかし少し遅れてしまい、バスの発着時間には間に合わなかった。幸いすぐ後に…

ピサロの跡を訪ねて(ポントワーズ)

パリサンラザール駅からポントワーズに行く。 ポントワーズは二度目である。前回はオーヴェルスールロワーズでのソワレを早引きし、パリへの帰りにポントワーズに寄り、駅前のレストランで晩御飯を食べ、ビールを痛飲した。夜10時発でパリに帰ったのだが、…

シスレーの跡を訪ねて①(ポール・マルリー)

下宿からデファンスまで地下鉄で行く。 ここからバスに乗り、ポールマルりーやブージヴァルに向うのだ。 バスターミナルはデファンスの広場などの下側になり、あまりよい雰囲気ではない。 デファンス自体も、不良グループの抗争があったらしく、治安には注意…