世界の歴史 ギリシャとヘレニズム

世界の歴史 2 ギリシャとヘレニズム
昭和51年11月5日 第1刷発行
秀村欣二・伊藤貞夫 著
講談社

シュリーマンによる発掘作業や、線文字Bと呼ばれる古代文字の解読。伝説を実証に近づけようとした人々の努力。

ヴァチカンのラファエロによる壁画や、ダンテの「神曲」の中にも出現しているホメロス。伝説の詩人で、実在しなかったのではないかという説もある。作品は、平家物語のごとく、あちこちでいろいろな吟唱詩人(その代表者がホメロス?)により、部分部分が吟唱され、それをまとめた人がいたようである。

ヘロドトスの「歴史」は、本筋から離れて、人々の好奇心をそそるようなエピソードなども多い。その一方ツキディデスの「歴史」は横道にそれることなく、出来事をまっすぐに追っている。

政治的にはローマに支配されるギリシャだが、そのヘレニズム文化はローマの中でも生き続ける。しかしキリスト教支配の時代になると、多神教の神々の作品群は邪教のものとなり、復活にはルネサンスの時代を待つこととなる。