ジェロニモス修道院からさらに東に行き、国立古美術館に入る。
まず中に入ると、キンキラキンの礼拝堂があった。ここはサンタ・アルベルトの礼拝堂と言う。金色でなおかつ内装も細かいところまでほどこされて豪華だった。
この美術館では、日本の屏風絵もあった。南蛮渡来時の情景の屏風で、英語のパンフレットには「Namban Screen」とあった。日本人にとってはわかりやすい表現だ。
この美術館は河に面した、高台のところにある。美術館を見回った後、ベンチに座り、しばし河を眺め疲れをいやす。
といってももう夕方だ。夕陽にせかされるように、次の目的地、サン・ジョルジュ城を目指す。
街の中心部から、狭いくねくねとした登り道を進む。一応標示はあったので、なんとかたどりつく。
ここは、城といっても、シントラのムーアの城跡と同じく、城壁と低い搭しかないと言ってよい。なんらかの建物があるべきところは公園になっている。
城壁の上に登ると、テージョ河をはじめとするリスボンの街が見渡せる。河は夕陽に照らされ輝き、橋とクリスト・レイが逆光を浴びて、そのシルエットを浮かび上がらせていた。
またこういうところの例にもれず、ポルトガルの国旗があった。隣に白と黒の旗があったが、これはリスボンの旗だろうか。
旗の向こうには、すこしもやがかかった、リスボンの街並みが広がっていた。