2008-01-01から1年間の記事一覧

ジャンヌダルクのシノンの夢(カオールの酒壺より)

引き続き「カオールの酒壺」より、「シノンの夢」と題されたエッセイより。 ここシノンでも、やはりジャンヌダルクが話題の中心で、1429年3月6日か9日に、城内の大広間でシャルル7世に会っているとのこと。 そのときジャンヌはたじろかず、延臣たち…

ジャンヌダルクも通過したオーセール(カオールの酒壺より)

引き続き「カオールの酒壺」の中から、「オーセールの孤独」と題するエッセイを取り上げる。 ここでは、主に、ジャンヌダルクについて叙述されている。 なんでも、ジャンヌは、この街を二度通過したらしい。 1度目は、シャルル7世となるべき人に会うため、…

シエナの泉の秘密

シエナの街角で その時は何気なく撮った泉の写真 帰国後写真を見ながら つらつら調べてみると 泉の存在はシエナには大きい意味を持ち なおかつシエナの中世からの地区制度に 深くかかわっている そのため泉を有する地区を象徴する動物を 装飾の中に配置して…

ツールドフランス ガッツポーズなき勝利

ツールドフランスも佳境を迎え、昨日も今日もアルプス越えである。 自転車でえっちらおっちら登っていくのは、いかにも大変そうである。 昨日のコースは、フランス・イタリア国境で、昔ハンニバルが越えた所よりもやや南くらいになるのだと思う。世界大戦時…

カオールの酒壺 歴史へのひとり旅

カオールの酒壺 歴史へのひとり旅 木村尚三郎 著 講談社 1983年5月10日 第1刷発行 著者の方は、欧州中世史を主に研究しておられる、著名な学者さんである。 この本では、難しい話は少なく、主にフランスのいろいろな街を訪れた時のショートエッセイ…

シエナの「白」(サン・マルティーノ教会)

シエナの中心ドゥオーモの表面は 白い大理石で覆われているけれども それ以外は土色の、ゴシック形式の建物が シエナを支配する そんな中でも たまに見かける白いバロック形式 16世紀に造られた サン・マルティーノ教会のファサード 巨大な白鳥のような ド…

ヘロドトス「歴史」(下)

ワイド版 岩波文庫 296 ヘロロドス 著 歴史(下) 松平千秋 訳 2008年4月16日 第1刷発行 ヘロドトスの歴史(下)では、ペルシャのギリシャ遠征の模様が語られる。 ペルシャ側の大群は、あたかも多国籍軍の如く多民族からなっており、兵力も膨大で…

シエナの塔とかすかな水色の空

入り組んだ迷路の中に ぽっかりと空いた空間に たどり着いてしまったかのように 再びカンポ広場に舞い戻ります マンジャの塔の背景には 青色までとはいかない 薄い水色をした シエナの冬の空が 雲の間にほんの少し 浮き上がっています

シエナの洗礼堂

ドゥオーモの正面から 後陣に周ると そこにも同じような 大理石のファサード これは14世紀初めに造られた いわゆる洗礼堂の 堂々とした姿 その上部には 教会の丸い窓が ちょこんと顔を覗かせている

ラファエルロ 神のごとき剽窃家

ラファエルロ 新潮美術文庫3 平成15年5月15日16刷 執筆者の若桑みどり氏はラファエロを「剽窃家」と呼んだ。しかしその形容詞には「神のごとき」とつけて。さらにゴーギャンまで引っ張り出してきて「芸術家は革命家になるか、剽窃家になるかのどちら…

シエナ、サンタ・マリア・スカラ救済院内部

切符売り場からさらに中に入ると きれいな美術館のような部屋もある一方 古の病院らしく はがれかけた壁がそのまま残っているような空間もあった 一部はまだ工事中 地下へ下りる階段のあたりでしゃべっている職員 イタリアより地中海を越えて さらに南の方の…

サンティシマ・アンヌンツイアータ教会のフレスコ画(シエナ)

サンタ・マリア・スカラ救済院の中に入り 切符売り場の横に 鮮やかなフレスコ画が描かれた サンティシマ・アンヌンツィアータ教会 地味なファサード、そして地味そうな場所からは 信じられないような 美しく壮大な祭壇 (写真は現地で買った日本語のガイドブ…

シエナのバールからサンタ・マリア・スカラ救済院へ

昼ごはんを食べようと 手軽なバールを覗き込む シエナの人妻風女性二人が店員で 一人は奥の壁を拭いている そして客は 常連客らしいおじいさんだけ なんとなくほっとした気分になり 入り込んで固いパンのサンドイッチと レモンティーを注文する 掃除はしばら…

シエナ・サンドメニコ教会全景

あっさりとした中に 深さを抱え込む教会を出て 再び迷い込むシエナの立体迷路 ふと開ける視界 サン・ドメニコ教会の全景が映る 教会に見られている自分も シエナのレンガのかけらと化す

礼拝堂を守る旗(サン・ドメニコ教会・シエナ)

身廊の右側にある 聖カテリーナの礼拝堂 聖女カテリーナの聖遺物の回りには 「アテネの学堂」を ラファエロと共同制作し 彼の後ろで ちゃっかりと自分も顔を覗かせている ソドマのフレスコ画などで うめられている この写真に写っている 聖遺物の右側の作品…

サン・ドメニコ教会のステンドグラス(シエナ)

シエナの街の外観を 思いっきり見せつけられてから 入るサン・ドメニコ教会の内部は がらんとしたシンプルな空間 外の天気のわりには 正面には色鮮やかなステンドグラスが しっかり輝いてくれています

眺めのいい教会②(サン・ドメニコ教会より・シエナ)

フレームを少し左にずらし マンジャの塔を右端にして そして左端には 松の木を一本追加して 整然としたつもりでも シエナの古色蒼然たる姿は いささかも揺るぎない

眺めのいい教会(サン・ドメニコ教会より・シエナ)

家の上に 家が積み重なり 石畳の路地も 泉も井戸も そして人々も隠してしまい 古びた要塞都市と化す シエナの丘 ただマンジャの塔だけが 潜望鏡のように あたりをしっかり見据えている

サン・ドメニコ教会前にて(シエナ)

サン・ドメニコ教会に ついた頃にはやれやれと シエナの坂道行ったり来たりで すっかり疲れた両の足 教会に入る前に ベンチに座ろうと ふと見ると 合間に古い家並みが 不思議な景色に誘われて さらに引きずる両の足 目の前に徐々に広がってくる シエナのとん…

サン・ドメニコ教会への短い石畳(シエナ)

聖女カテリーナの生家から 写真のサン・ドメニコ教会へは カンパッチオ小路という 魅力的な狭いトンネル道を抜けるのが 近道らしい そんなことはつゆ知らず シエナにとっては普通だが 普通の感覚では普通でない シエナの普通の石畳を通って サン・ドメニコ教…

イタリア 12小都市物語

イタリア 12小都市物語 小川 煕 著 里文出版 2007年1月30日 発行 イタリアと言えば、ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ヴェネチア、ナポリなどが代表的な都市なのだが、この本ではそれ以外の都市についての美の遺産について述べている。 ペルージャ、…

聖カテリーナ通りにたなびく旗(シエナ)

聖カテリーナの生家を出て 再び登る通りの名は そのまま聖カテリーナ通り 相変らず 石畳の道の上には狭い空 そこにたなびく旗一つ 緑地に赤い線がある よくよく確認してみれば それはコントラーダと呼ばれる 地区の象徴する旗らしい シエナの小さな街を割る …

聖女カテリーナの家にて(シエナ)

坂を降りて 聖カテリーナの家にたどりつく 彼女はイタリアの守護聖人 1347年にこの地で生れた彼女 1367年には キリストが現れて 彼女に婚約指輪を与えたり 1375年には 聖痕を受けたという伝説がある また1376年には 遥かアヴィニョンまで赴…

坂を登るイタリアの学生(シエナ)

シエナは立体的な街 坂道を昇り降りし 路地の合間合間にある 階段を昇り降りする 坂道を降りようとすると 学生の一群とすれ違う さすがにイタリアには修学旅行は無いだろうけど ちょっとした社会見学の帰りなのだろうか この下には聖女カテリーナの家 シエナ…

キージ・サラチーニ宮の井戸(シエナ)

緩やかにカーブを描く チッタ通りの途中 音楽関係の看板がある なにやら名所らしき場所に入ると 中庭のような所に 井戸が一つ そこで記念写真を撮る 白人の家族連れの観光客たち それにつられるかのように 彼らがそばを離れた瞬間 自分も写真を撮っておく こ…

カンポ広場の周縁(シエナ)

カンポ広場の周りを占める 「シエナの土色」をした ずっと昔からあったような 建物の間を抜けて ふと振り返ってみれば 狭い路地と空の間に 細くて高いマンジャの塔

ダ・ヴィンチとマキアヴェッリ

ダ・ヴィンチとマキアヴェッリ 幻のフィレンツェ海港化計画 ロジャー・D・マスターズ 著 常田景子 訳 2000年8月25日 第1刷発行 朝日選書 人生は河の流れのようだ、とよく言われるが、この本はレオナルド・ダヴィンチとニコロ・マキアヴェッリという…

ポデスタの中庭から(プッブリコ宮・シエナ)

プッブリコ宮の中にある 小さなチケット売り場 ここでマンジャの塔と 市立美術館の チケットを買える しかしこの日は 雨模様の天気のため 理由はよくわからないけれど 塔には登れないとのこと 美術館には入る気は無かったので チケットを買うのはあきらめる …

シエナのシンボル 狼の像

市庁舎である プッブリコ宮 その中にあった 街のシンボルらしき 狼と双子の姿 ローマのシンボルが なぜシエナにもあるのだろうと 頭の上にはてなマークが ひとつ、またひとつ もう一度開く中公新書 どうやらローマ建国神話で 狼に育てれたというロムルスとレ…

歓喜に満ちるガイアの泉(シエナ)

カンポ広場の もう一つの名物と言えば 白く輝く ガイアの泉 プッブリコ宮に面して 大理石の彫刻が 貴重な水を守る 1348年に除幕式が行われたが シエナの泉としては それでも後の方に できたものだった というのも この広場まで 水を引いてくる技術が な…