2008-01-01から1年間の記事一覧

そびえ立つドゥオーモの鐘楼(フィエーゾレ)

糸杉の林の小道を通り下りて たどりつくドゥオーモの裏側 ファサード側から見たのとは また違う鐘楼の威容 天を指し示すその姿は フィエーゾレの指標そのもの もしこの鐘楼が崩れ落ちれば 町は主を失った孤児の如し

ルネサンスの人間像(モンテニュー・セルバンテス・ルター)

思想の歴史 5 ルネサンスの人間像 野田又夫 編 昭和41年8月5日 発行 モンテニューの個人主義思想と東洋の老荘思想の類似。 すなわち自由な人間性を養うために名利を避け、欲望を節し、世間から隠遁する。 天下の治乱は、なりゆきにまかせ、世と共に推移…

朝の9時 教会から糸杉の森へ(フィエーゾレ)

サン・フランチェスコ教会のファサードは 円窓の下にアーチ型した小型屋根 奥にはフレスコ画まで描かれて 念には念を入れています 冬季は朝の9時に開くと ガイドブックには書いてあったけれど その時間になっても人の気配無く 扉を押しても動きません 慌し…

「海辺のカフカ」オフィシャルブック「少年カフカ」

Kafka on the shore Official Magazine 村上春樹編集長 少年カフカ 著者 村上春樹 発行2003年6月10日 新潮社 この本は、厳密にはヨーロッパ本ではないんですが、チェコの作家のカフカの名前が出てきて、なおかつ村上春樹さんもヨーロッパをはじめとす…

湧き出でるオリーブ(フィエーゾレの天辺から)

天辺の教会から少し下り もう一度風景を眺めると オリーブがモコモコと湧き出でて トスカーナのCultureを支配する

石の十字架の秘密(フィエーゾレの天辺にて)

広場にぽつんと立っている 日本人の目からすると 灯籠のような謎の碑 小さな石の十字架が そっと飾られている これは教会が再建された記念に加え 20世紀初頭のリビアでの戦争に 従軍したイタリア人に対して 作られたものという さりげない十字架は 植民地…

フィエーゾレ 天辺のロッジア

フィレンツェやシエナと同じように ここフィエーゾレでも見つけた いわゆる開廊という意味を持つ ロッジアと名づけられた狭い空間 決して派手ではないけれど 一応ロッジアとしての形状は備えており ほかより何より優れているのは フィエーゾレの丘の天辺にあ…

フランス短編映画特集

先日、フランスの短編映画の特集を見に行きました。 これは、短編映画祭の中の、一コーナーとして、設けられていました。 普段、映画はほとんど見ないんですが、フランス物で、なおかつ無料であり(開催者の皆様には深くお礼申し上げます)、行ってみようと…

冬空のサン・フランチェスコ教会(フィエーゾレ)

展望台から階段を上がっていき 更に達する高い場所 狭い広場がありました ほとんど誰もいない朝 「しん」と静かな冬空の底に サン・フランチェスコ教会の 素朴な姿が浮かびます

世界の歴史 ギリシャとヘレニズム

世界の歴史 2 ギリシャとヘレニズム 昭和51年11月5日 第1刷発行 秀村欣二・伊藤貞夫 著 講談社 シュリーマンによる発掘作業や、線文字Bと呼ばれる古代文字の解読。伝説を実証に近づけようとした人々の努力。 ヴァチカンのラファエロによる壁画や、ダ…

展望台のモニュメント②(フィエーゾレ)

展望台に鎮座する もう一つのモニュメント こちらは第一次世界大戦の犠牲になった フィエーゾレの市民に対し 哀悼の意を表するためのものらしい ヨーロッパ各地にある このような慰霊のモニュメント 欧州の人たちにも あまりに多くの犠牲をもたらした 二つの…

展望台のモニュメント(フィエーゾレ)

展望台に設置されていた 不思議なモニュメント 巨大な鉄の指のようなものが 鋭く伸びている このモニュメントは 1944年のナチス侵攻の際に 殺された三人の騎銃兵を悼んで 造られたものだという 戦争の爪痕の象徴である モニュメントの周囲には 穏やかに…

フィレンツェ 「花の都」2000年の物語

図説 フィレンツェ 「花の都」2000年の物語 中嶋浩郎 著 中嶋しのぶ 写真 河出書房新社 2008年6月30日初版発行 フィレンツェ関係の本ではおなじみの、中嶋氏による、フィレンツェの歴史についての本である。 フィレンツェというと、どうしてもル…

フィエーゾレの展望台から③

真下を見おろせば 丘の斜面の緑の中に 教会の尖塔のような糸杉が 一本、一本、そして二本

フィエーゾレの展望台から②

陽光と雲の何気ない戯れから ほんの少し西に眼を移しただけで フィレンツェの景色は落着きを取り戻し トスカーナの緑の中に埋没する

フィレンツェの幻影図(フィエーゾレの展望台より)

ドゥオーモのファサード前からの きつい傾斜の坂道を えっちらおっちら登っていくと 展望台にたどり着く 雲から差し込む朝日を受けて 丘のみどりの向こうには 薄ぼんやりと浮かび上がる 古都フィレンツェの幻影図

フィエーゾレの地味なドゥオーモ

ミーノ広場でバスを降り すぐそばにあるドゥオーモの姿 もともと1028年に建てられ その後増築繰り返し 今の形となりました フィレンツェやシエナほどの 大がかりなものではないけれど フィエーゾレにはふさわしい 地味で清楚なその姿 細身で控えめな塔が…

フィエーゾレまで登っていくバス

フィレンツェの市営バスは 街の多くの停車場で 人を乗せたり降ろしたりしながら くねくねのんびり進んでいきます せっかちな旅人には まどろっこしくても バスはみんなの大切な足 フィレンツェ郊外から電車で到着し このバスを利用して フィレンツェ市内の …

フィレンツェの母、フィエーゾレへ

短いフィレンツェ滞在の 新年の四日目の朝 とうとう今日が最後の日 午前11時頃には この古都を離れないといけない それでもわずかな時間を利用して フィレンツェ北の丘の町 フィエーゾレ行きを企てる 少しでもトスカーナを見ておきたいという 遠きアジアか…

ボローニャ紀行

ボローニャ紀行 井上ひさし 著 文藝春秋 2008年3月1日 第1刷発行 いわゆるボローニャ方式とは、外観は昔ながらの建物のままで、内部だけ現在のようにして、利用することです。古い町並みを維持しながら、今風に活用でき、街の美観を損ねることなく、…

車窓に沈むトスカーナの黄昏

バスはほぼ満員になって フィレンツェへ向けてひた走ります 曇り空の合間から 時々夕陽が差し込みます 途中の停留所で 前に座っている老女の横に 黙って老女が座ってきます 他人なのかと思いきや いきなり言葉を交わし始めます 途中の少し大きな町で ぐるり…

メディチの憎き要塞(シエナ)

フィレンツェに戻るために シエナのバスターミナルにたどり着く 止まっているバスの表示を見回るが まだフィレンツェ行きのバスは停車していなかった 待ち時間を利用して 公園とスタジアムの間を歩いていくと 大きな要塞の外壁に貼りついた メディチ家の紋章…

巴里ノート

巴里ノート 「今」のパリをみつめつづけて 村上香住子 著 文藝春秋 2008年2月15日 第1刷発行 1985年から2005年までの、パリ生活について綴った本。 春夏秋冬に分け、それぞれの季節に出会った人たち、出来事などを書いている。 ファッション…

おさまりきらない商人のロッジア(シエナ)

再び戻るシエナの中心地 ふと仰ぎ見る フィレンツェにもあったようなロッジア ここのそれは商人のロッジアと呼ばれる もともとは雨の日でも 人々を集合可能ならしめるために 造ったらしいが このスペースで いざというとき商人たちが ちゃんとロッジアの中に…

やさしいダンテ「神曲」

やさしいダンテ「神曲」 阿刀田高 著 角川書店 平成20年1月31日 初版発行 ギリシャ神話などの古典を易しく解説している本を多く書いている阿刀田氏による、「神曲」の解説本。 「やさしい」と言っても、やはり他の外国の古典のように、現代人には難しい…

ピスピーニ門と色とりどりのゴミ箱(シエナ)

重厚な門をくぐりぬけると そこは俗世の幹線道路 車がビュンビュン走っています 左・右、そして左と しっかり見て道を横切り 向かいのビデオレンタル屋らしき所から しっかりカメラを構えます この門の名はピスピーニ門 303年に殉教した聖人の遺骸が ここ…

シエナの謎の頑丈な門

撮った写真を手がかりに いろいろ調べてみた結果 いかにもシエナの通人のように 書き綴ってはいるけれど 実際のところを白状すれば このあたりでは道に迷い 自分がどこにいるのかさえ よくわからなかった とりあえず通りを歩いていくと 眼前に迫る頑丈な門 …

シエナのトライアングル(サン・フランチェスコ教会)

少し向こうの高台に ちっちゃく見える別の教会 これは清貧を重んじた 聖フランチェスコに由来する サン・フランチェスコ教会 少し前に紹介した サン・ドメニコ教会と シエナの南に位置する サンタゴスティーノ教会と共に シエナの主要托鉢修道会の 一派を成…

サント・スピリト教会の丸天井(シエナ)

ユニコーンを意味する レオコルノ地区を過ぎて カンポ広場の形のような 貝殻を象徴とする ニッキオ地区に達する そのピスピーニ通り沿いに建てられた サント・スピリト教会 その丸天井は 巨大なインク壺の如し シエナの土色のインクで この街の歴史を 密かに…

中世と緑への入り口-プロヴァン(カオールの酒壺より)

引き続き「カオールの酒壺」より、プロヴァンについて。 プロヴァンは、12・13世紀には、国際的な大市が開かれ、喧騒と活気に満ち溢れていた。 しかし今では、中世都市がそのまま凍りつき、化石になったようにぎ然と立ち尽くしている。 各地から来た大勢…