ボローニャ紀行

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ボローニャ紀行
井上ひさし 著
文藝春秋
2008年3月1日 第1刷発行


いわゆるボローニャ方式とは、外観は昔ながらの建物のままで、内部だけ現在のようにして、利用することです。古い町並みを維持しながら、今風に活用でき、街の美観を損ねることなく、活性化させていき、それがボローニャなどのイタリアの都市の魅力を倍増させているんでしょうね。
それにしても、ベルルスコーニさんは凄いです。
さまざまな罪状(脱税・賄賂・資金洗浄・殺人共犯容疑等)の容疑をかけられながら首相になり、そして就任後はそんな自分の保身のために都合のいい法律をどんどん作って、与党も平気で議会を通過させてしまいます。
この本の発行時点では、さすがに一度首相の座を追われていましたが、左派の分裂によって復活し、今回のサミットでも元気よくホテルの女性従業員に投げキッスをしているのを見かけました。
この復活劇の理由として、民主国家にもかかわらず、所有する巨大メディアを利用して多くの国民を洗脳しているのではないかな、とまで勘繰ってしまいます。
ともかく日本でも、マスコミの無責任な扇動にあおられないように注意したいものです。
それにしても、国がこのような状態だから、自分の生活を守るためには、いわゆる日本で言われる市町村(コムーネ)やさらにその下の「地区」のような単位(シエナでもその力を痛感しました)、そして協同組合のような組織、さらには親族や友人などの人間関係をより充実させていけないとやっていけないのかな、という気がします。