ローマ人の物語Ⅷ 危機と克服

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危機と克服
ローマ人の物語
塩野七生 著
新潮社
1999年9月15日 発行

皇帝ネロの後の、混乱状態とその改善の時代。
ガルバ・オトー・ヴィテリウスらは、いずれも短期政権で終わる。
ヴィテリウスは、自分を勝利に導いた内戦において、敗者に屈辱を与え、その怨念が元で、自分も殺害される。
帝国の辺境では、ガリア帝国の反乱。ローマの危機。
そんな中、ヴェスパシアヌスの皇帝就任。高貴な生まれではないが、その人間らしさ、そしてムキアヌスなどの片腕にも恵まれ、ローマの再建にあたる。
写真の人物像が彼だが、いかにも「俺は叩き上げできたぜ!」というような、頼もしい面構えである。
その後を継いだティトゥス。真面目に職務を遂行し、恋愛までもそのために犠牲にした彼の二年の短い治世。
次の皇帝ドミティアヌスゲルマニアからの防衛のため北の防衛線「リメス・ゲルマニクス」を築いていく。ラインとドナウの間を守る防壁。
防壁を作る話となると、なんとなく嬉しくなってしまうのが不思議だ。
しかし彼は恐怖政治をしき、暗殺されてしまう。
次のネルヴァ。ショートリリーフ的な役割だが、後に五賢帝時代の始まりと呼ばれるようになる。