アフロディーテは秘かな楽しみ?(アルテンプス宮、ローマ)

 
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アルテンプス宮に展示されていたアフロディーテの彫像です。
この彫像は完全な姿ですが、よく見るとあちこちに継ぎ足したような跡が残っています。
ローマ時代のものかと思われますが、どこまで完全な姿で発掘されたのか、またどこまで後世に付け足し修繕されたのか少し気になります。
 
ローマ時代は、裸の彫像に対して寛容だったのですが、キリスト教が支配するようになると、このような「古代の神々」は次第に忌み嫌うべきものとなります。
よって4世紀末頃にはせっかくの彫像を多量に処分するようになりました。
それにもかかわらず後世にはかなりの作品が残っています。
その理由として「ローマ人の物語」の中で語っているところによると
 
それは、4世紀末に生きていた誰かが・・・地中深く埋めたのではないか、という仮説である・・・いつの日か・・・この傑作の価値をわかる人の手に渡る時代が来ることを夢見ながら。
 
さすが塩野先生、上品かつ高潔に述べておられます。
しかし自分のような下賎な輩の卑俗な想像(笑)だと、金持ちのオヤジがこっそり地下室などに大切に隠し、時々こそこそ眺めて楽しんでいるような状況を思い浮かべてしまいます。
それならたとえ戦争や火災などの破壊活動があっても、ある程度は逃れることができますものね。