エッフェル塔物語

エッフェル塔物語
フレデリック・サイツ著
松本栄寿・小浜清子訳
玉川大学出版部
2002年8月5日 第1刷

今やパリの象徴とも言えるエッフェル塔
しかし建設前、そして万国博覧会後の建設後でも反対の声があった。
それに対する、賛成派はどう動いたか。
また塔の権利や実用性など。
そのような塔の100年の歴史を、スキャンダラス的なことは抜きに、真面目に追いかけている。
技術者(塔の名前の由来も技術者の名前から来る)、役人、政治家などの名前、そして公文書がよく出てくる。
かといって読みにくいことは無い。図表などもあり楽しめる。
さらに最近の、ライトアップの技術者に対するインタビューもある。
最近、歴史建築物が、洋の東西を問わずよくライトアップされているが、エッフェル塔の場合は少し特殊である。
というのも、鉄骨を組み合わせたようになっており、普通に外側から光を浴びせ掛けただけでは、上手くいかない。
従って、内部から光をあて、上手く光が浮かび上がるように工夫されている。
昼も夜も美しく、そして時には頼もしく見えたエッフェル塔には、このような歴史と工夫があったんだなあと感心。