図説 西洋建築の歴史 美と空間の系譜

図説 西洋建築の歴史 美と空間の系譜
佐藤達生著 河出書房新社 1800円 S図

1 様式の二つの流れ
2 古典系建築の流れ
3 中世系建築の流れ

ギリシャ建築とゴシック建築を中心に述べている。
ヨーロッパをアルプス以北と地中海沿岸に分け、それぞれの風土の違いによる建築にどう影響を与えているか述べている。
柱により、しっかりと大地に根付いたギリシャ建築。人間の崇高さを見る。
薄い壁で、あたかも天に昇っていくような内観を呈するゴシック建築。神の偉大さをあらわす。

確かに古代ギリシャは彫像など見ても、人間の本来の力強さ、美しさを表現しようとしてますよね。
一方ゴシックの大聖堂の内部など、重さがなくなったような感じで、思わず上を見上げてしまいます。そしてそこにあるステンドグラス。確かに見事な演出ですよね。
ただ、そのままだと、今のはやりじゃないですけど欠陥建築なので、外側の飛び梁(フラインング・バットレス)で補強しています。
大聖堂の正面もいいですが、飛び梁による、後ろ側(内陣側)からのしっかりした美しさも印象に残ります。自分の見た限りでは、アミアン、ランス、そしてブルージュ(フランス)の大聖堂のそれが感動的でした。