ロンドン・コーリング 20世紀の終わり

年末にロンドンで会おうと誘われた。
パリ北駅から、ユーロスターに乗る。
フランスから、トンネルをくぐり、イングランドに入る。
イングランドは雪が積もっていた。車窓に見える田舎のぼろ屋の看板表示が英語だった。フランス語漬けだった身にとって、落ち着いた、懐かしい気分になる。
ワーテルロー、ではなくウオータールー駅に到着する。入国審査で長い列ができている。審査用の紙を書いておらず、受付のそばで書くことになる。
やっとこさ出ると、友人が待ってくれていた。
まずテムズ川の昼食つき遊覧船に乗る。ロンドンも寒い。中で機内食のような食事を取る。変なドームを見る。
船を降り、ビッグベンあたりを歩く。それを背景に写真を撮ってもらう。
次に地下鉄で大英博物館に行く。中に入り、しばらく見るが、やはりガイドツアーについていこうということになる。時間までしばらく待つ。
ツアーに加わる。ロゼッターストーンを見る。写真を撮る時、フラッシュが出てしまいガイドさんに恐縮する。
夕食を何にするか話し合う。イングランドの名物を食べたいと言ったが、せいぜいフィッシュ&チップスくらいだというので、結局イタリアンになる。トマトスープやパスタを食べる。
その後ホテルにタクシーで向かう。タクシーが広々としているのに驚く。
翌日は友人がロンドンを発ったので、一人でロンドンをうろつく。
バッキンガム宮殿やウエストミンスター寺院など、名所を一通り歩く。宮殿近くの池は凍っている。
閲兵の周りは人だかりである。微動だにできず大変だと思う。
さらにテムズ川のほとりも歩く。川沿いの建物にはあまり人の気配が無い。ロンドン・ブリッジまでは行かず、遠くから写真を撮るにとどめる。
美術館では印象派の絵画展をやっていた。またテートギャラリーでターナーの作品集を見る。最初は教科書で見た事のある絵で、感慨もひとしおだったが、他の絵も霧を扱ったものばかりで、「みんな同じやないか~」と突っ込んでしまう。
さらに一泊する。ついに20世紀最後の日である。この日はロウ人形館に行く。ダイアナさんの前ではさすがに立ち止まり厳粛な気分になる。日本人では吉田茂千代の富士。その他ナポレオン、レーニン、エリツイン、ハヴェルなど多士済々。
さらにコヴェントガーデンにも行く。大道芸人を見る。
昼食でフィッシュ&チップスを食べる。アメリカンスタイルの店だった。ロンドンのラジオ局がさよなら20世紀のような番組をしている。ピンク・フロイドの「ザ・ウオール」などの代表曲を聞いていると、つくづく20世紀の終わりを痛感する。
ウオータールー駅に早めに着く。手続きはほとんどない。
再びパリに戻る。時差があるため、時計を直す。こちらの入国手続きも簡単である。
ロンドンの思い出をパリで回顧しながら、新しい世紀を迎えるのであった。