勇者はパリを目指す(ツールドフランス)

今年もツールドフランスが始まった。
昨日もテレビで見ていたが、アンボワーズ、シノン、シャンボール、ブロワなどの城と街が見れたのが懐かしくて嬉しかった。
コースは毎年変わるものの、最後はパリである。これがなんとも言えずかっこいい。
フランスおよびその周辺の美しい大地の中、長いレースを戦い、最後パリに向け疾走する。郊外から、セーヌ川沿いを通り、パリを周回する。選手の今までの苦労をパリが慰め、完走をパリが祝福する。
こういうのが似合うのはパリだけである。それだけでも、パリは十分誇りを持って良い。オリンピックに落ちたことなどたいした事ではない。
筆者もパリにいたとき、見に行ったものだ。
といってもなまけものの筆者は、早めに行っていい場所を取る様な事をしなかった。
最初はテレビで見ていた。実際に現地に見に行こうか迷っていた。テレビの方が、ずっと効果的にレースを見れるからだ。しかし、選手たちが、パリに近づいているのを見て、たまらず下宿を抜け出した。
下宿のある15区から、地下鉄8号線を乗り、アンバリッドで降りる。
そこから、歩いてコンコルド広場に向かっていく。
手前のコンコルド橋の上から、コースから少し離れているが、警備員や他の観客の間からレースを見ることが出来た。
上空には中継のヘリコプターの音がうなる。
カラフルなユニフォームの選手たちはあっという間に疾走していく。そのたびに歓声があがる。
コンコルド広場では、海軍省の建物をバックに、オベリスクがそびえている。
それに対抗するように、中継のはしご車が伸びていた。少しでも選手全体を効果的に捉えようと、オベリスクに負けじと伸び上がっていた。
何周か見る。雰囲気でもう選手は来ないような感じがした。もう少し残ってみるが、確かに終わっているようだ。また地下鉄に乗り下宿に戻る。
かえってテレビをつける。シャンゼリゼで、凱旋門をバックにした表彰式の模様が映し出されていた。