ポスターに息づくロートレック

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前回の記事で、マイヨール美術館の事を書きましたが、そこに行ったきっかけは、その時に行っていた特別展によるものでした。
その情報は、パリの日本人向けの本屋や食料品店に置かれている、在住日本人向け新聞から得たものです。
しっかり読んでいると、結構イベントの紹介などもあったりして、重宝したものでした。

さて、その特別展というのは、トゥールーズロートレックのポスター展でした。
暗い部屋の中で、彼の元気良く、生き生きとしたポスターが展示されていました。

ロートレックは、シェレー、ミュシャと共に、近代ポスター創成期を飾る三巨匠といわれています。
画家としての副業・余技として、ポスターの仕事をこなしていました。
彼の作品の特徴は、流れるような描線、大胆な平面化、明暗のコントラストを強調する色面の配置だと言われています。
そして瞬間の動きを、即興的に捕らえています。
美しさという点では、ミュシャによるサラ・ベルナールを扱ったポスターなどには劣っていますが、ムーランルージュという、雑然とした華やかさには、ロートレックの筆致がよく似合います。

この特徴は、浮世絵や水墨画など、ジャポニズムにより影響を受けたとされています。
まだ日本人自身がその価値をあまりわからなかった時代、すばやく取り入れてくれた鑑識眼には感心します。

別冊宝島EX デザインの読み方 西岡文彦 著 JICC発行 を参考にしました。)