小磯記念美術館 「パリに生きる パリを描くーM氏秘蔵コレクションによるー」

特別 ギリシャ展を見に行った後、小磯記念美術館での特別展「パリに生きる パリを描くーM氏秘蔵コレクションによるー」を見に行ってきました。
こちらは日本人画家による、パリやその周辺の景色を描いたものです。

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こちらは、藤田嗣治の《モンパルナス通りの家、アルソンヴァル街》です。1953年に描かれました。
この画像では分かりにくいのですが、建物の壁の白さが独特の色合いになっています。いわゆる「フジタの白」がこの作品からも味わえます。
藤田については、サクレ=クール寺院を描いた絵画もありましたが、こちらもサクレ=クールが白くぼんやりと浮かび上がっているのに眼を魅かれました。

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こちらは小磯良平による《巴里風景》です。セザンヌ的な絵画になっていますが、より構成的にさらりと描かれています。
家々を幾何学的に積み上げ、その頂上に聖堂を描いています。フランスというかヨーロッパの街並みを象徴的に表しているようです。

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こちらは、佐伯祐三による《オーヴェル風景》です。1924年に描かれたものですが、その年、オーヴェル(シュル・ロワーズ)のヴラマンクを訪れています。
その際、自作をアカデミックとヴラマンクに指摘され、大きなショックを受けたそうです。
この絵画の中にも、佐伯の苦悩を感じてしまいます。

パリをはじめとするフランスの風景を、日本人画家の目を通して描かれた作品群を、まとめて鑑賞できたのは幸せなことでした。たいへん素晴らしい企画だと思います。
また、小磯良平美術館も今回初めて行ったのですが、六甲アイランドの一角にある、美術館にふさわしい静かな雰囲気のところでした。

(画像は神戸市立小磯記念美術館のHPからです。また内容については現地で販売されていた画集「パリに生きる パリを描くーM氏秘蔵コレクションによるー」を参考にしました)