この日はどんよりと曇って、小雨も降っていました。もしユトリロが姫路城を描いたら、こんな天候時の絵を描いていたに違いありません。
また人物は、この画像のように、後姿で描かれているのが多いのもユトリロの特徴です。
現地で買った図録です。
表紙はモンマルトルのサクレ・クール寺院の写真と絵画になっています。
裏表紙はラパン・アジルの絵画が主となっています。
図録やネットより、実際に本物の絵を鑑賞するのがいいのは当たり前のことですが、ユトリロの場合、その傾向がより強いように思われます。モチーフ自体は平凡ですが、細かい筆致や微妙な色合いに、ユトリロの複雑な精神状態が深く表現されているように思います。
この城はアン県のサンベルナール村に建てられているサンベルナール城です。
画像はアン県の旅行案内所のHPからです。
ここにもユトリロは滞在していた時期がありました。
実は自分はこのサンベルナールをさる事情で訪問していたことがありました。このときはリヨンから車で県境を越えて村に着きました。
そのときにこの城も案内してもらったのですが、残念ながらその時の城や風景の記憶も写真もありません。
その他ユニークだったものとしては、芸術家友の会の夜会のポスターや、レストランのメニューに添えられた絵もありました。今回の回顧展で、ユトリロの様々な面を鑑賞出来たのは幸せなことでした。