マルセイユ旧港沿いの市庁舎

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マルセイユの旧港と港沿いの建築群

 

旧港そばで、ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院と反対側に目を転じます。
旧港に居並ぶ船は薄暗くなっているのに対し、海沿いの建物は斜陽に照らされています。
建物は画一的な感じなのですが、右の方に独立した建物を発見しました。
どうやらマルセイユの市庁舎のようです。
海沿いに市庁舎が在るなんて、さすがに港街です。
13世紀には、この場所には商人と執政官のためのタウンホール的な建物がありました。
1653年に、領事のガスパール・ドゥ・ヴィラージュにより、現在の建物のもとになる最初の礎が置かれました。
その建築の目的は、対岸に建てられていた、王権を象徴するアーセナル・デ・ガレールという強力な建築物に対抗するために、豪華なファサードを造りマルセイユ市の権威を演出するためでした。
1673年に完成し、18世紀に増築されました。
フランス革命時には、連邦主義者の巣窟と見なされ、取り壊しの恐れがありましたが、かろうじて免れました。
そして1943年、ドイツ軍によりこの辺りが破壊された時でも、この建物はなんとか残りました。
1948年4月30日には、歴史的建造物となりました。
潮風に吹かれ続け、歴史の荒波に揉まれても、この市庁舎は生き残り、マルセイユの街を守ってきたわけですね。

 

(マルセイユ市のHPを参考にしました)