負けても強いコンタドール(パリニースサイクリングロードレース最終日)

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パリ・ニースサイクリングロードレース最終日、日本での放送開始後、少し遅れてチャンネルをつける。
「おおっ!」
前日総合で1分50秒ほどの差をつけられていたコンタドールが、5人ほどのトップグループを形成し、その1分50秒以上の差をつけ、総合首位を奪い返そうかという勢いだった。
総合首位のサンチェスは、その後ろの大集団の中で走っている。
体力的には、大集団のサンチェスの方が楽である。というのも、自分のチームや、他の優勝を狙うチームの選手が常に自分の前を走ってくれ、風の影響を全く受けないで済むからだ。
それに比べ、コンタドールは、4人くらいは交代で前に出てくれるとはいえ(一人はサンチェスと同じチームなので、絶対前には出ず、コンタドールの負担を少しでも多くしようとする)、やはり消耗度は強い。
そういうわけで、さすがのコンタドールも、少しずつタイム差は詰められていった。
そして総合優勝は無理な状態となった。
しかし、この日のステージだけではまだコンタドールはトップグループを維持し、首位は最後までわからず、ゴール前での勝負である。
ニースの浜辺の通りを疾走する3選手。
最後はきわどく、カチューシャというロシアのチームの選手がまくってステージ優勝した。
といっても、最初から風の抵抗と戦っていたコンタドールにとっては仕方のない結果であった。

サンチェスはこの日は少し疲れていたようだが、無事ゴールし、総合優勝は守った。
しかしチームにしっかり守られていたサンチェスと、ほとんどチームのサポートがなかったコンタドールという図式から観ると、この結果にもかかわらず、コンタドールの走りは凄く(特に坂)、やはり強い、というものだった。
ちなみに、前日の失速は、途中の食糧補給をし損なったのが大きかったらしい。
小さなミスが、結果にも出てしまう恐ろしさである。

今回のパリ・ニース、正直レースとしては、ツールドフランスやジロデイタリアなどよりは小さく、ある種日本のプロ野球のオープン戦のような感じでもあるらしい。
コンタドールが所属しているアスタナも、本気で勝つつもりならこのような布陣ではなかった。
やはりこれからのグランツールでの勝利が本命である。
ここにあのアームストロングが復活してくる。それも同じチームアスタナで。
果してどうなるのだろうか、興味は尽きない。

(写真は上がニース浜辺を走るコンタドール達。下が表彰式の模様です。)