コルマールの笑うキリスト

ストラスブールから電車に乗りコルマールに行く。
駅を降り、噴水のそばなどを通り旧市街に向かう。
まず、ウンターリンデン美術館に入る。ガイドブックによると、ここのキリストの祭壇画が一番のおすすめになっていたからだ。
その祭壇の表側に、十字架でしんどそうなイエス・キリストの絵がある。そしてその裏には、よみがえった晴れやかな表情のキリストが描かれていた。
この絵を見た後、回廊のようなところを回っていると、また別のキリストを発見した。
ポットに描かれた、子供の絵のようなキリストを見た。とてもかわいらしく描かれていた。
場面は祭壇画と同じく、十字架のシーンなのだが、こちらの表情といえば、どうみても笑っているようにしか見えなかった。手や足に釘を打たれ、傷つけられ、血がどんどん出て、つらくてしょうがないはずなのだが。これを描いた人はどう思っていたのだろう。
ただ、よく考えてみると、この時の苦労があったおかげで、人々の心を打ち、約2000年後の今でさえ、世界宗教の座に君臨してるわけだから、達観した笑顔で、という解釈もあるのかもしれない。
美術館を出て、街の地図を買う。名所をめぐるコースが書いてある。最初は律儀に順繰りにめぐっていこうとしたが、少し前の水道跡や、県庁まであったので、全部回ってもしょうがないような気がした。観光客向けと言うより、学生の社会見学に適しているような気がした。
のんびり休んで、プティット・ヴェニスの側のカフェで、アルザス風のピザであるタルト・フランペを食べる。うすい板にのっていたのは意外だったが、味自体は申し分なかった。