ギリシャ・コーヒーはぜんざいの味

スニオン岬からアテネに戻る。
夕食場所を探しにプラカ地区をうろつく。
目指すは、現地の旅行社お勧めのレストランだ。
もらった地図片手に、おのぼりさん風に歩いていると客引きに声をかけられた。
「客引きには注意」とガイドブックに書いてあったので一瞬かまえるが、持っていたレストランの名前が書かれた地図を指差して、その名を言われる。
なんのことはない、そこが目的のレストランだった。
外の席に通される。よく慣れた扱いだ。
外といっても、ちゃんと暖房してくれているので寒くない。
ポークスプラギ・リゾット・サラダのセットを頼む。
もちろんアルコールもつける。現地の白ワインだ。
ワインも料理も、たいへんおいしく、値段も手ごろである。1日目からここに行っておけばよかったと後悔する。
最後にギリシャコーヒーを飲む。このときつまらない失敗をしてしまう。
ギリシャコーヒーは、下にカスが残っており、上澄みの部分だけを飲むようになっている。それを知らずに、最後までグググとやってしまったものだから、カスごと飲んでしまったのだ。
ちょうど下に砂糖が残っていたため、その甘さとカスの触感で、ちょうどぜんざいの小豆の皮をすすっているような味がした。
ギリシャレストランで最後にぜんざいまで楽しめるとは思わなかった。
まあおいしかったからいいや、と少し酔った頭で店を出ていった。