オルレアンの幻

パリからオルレアンに行く。ある人が、ジャンヌダルクのパレードを見に行こうよ、と誘ってくれたので喜んでついて行った。
駅を降りて、まず広場に出る。真ん中にジャンヌダルクの像が建っている。パリ以外では初めての彼女の像である。その後、シノン、ランス、コンピエーヌなどでも彼女の像に出会うことになる。
まず、ジャンヌダルクがオルレアンにいた時にすごした家を見学する。パンフレットは日本語のものがあったが、説明はフランス語とドイツ語だけだった。よくわからないまま、ドイツ人らしい団体客と一緒に見学する。
その後、市内の寺院を見るが、特に珍しいものではなかった。何かあるかもしれないと河の方に向かっていくが、特に何もなかったようだ。この街は、他の欧州の多くの観光地のように、旧市街と新市街がはっきりしていなかった。ジャンヌダルクのいる軍がイングランドに包囲されて、激闘の末何とか持ちこたえた場所のはずなのだが、特に実感する事もなかった。
河の近くの気安いレストランで食事をする。外の席を取れたが、すぐとなりで少し高い砂場になっていた。そこで幼児がボールであそんでおり、砂が飛んでこないか心配になる。おかみさんが何度か注意してくれて、やっと止めてくれた。
アントレで魚のスープを食べる。意外とおいしいので驚く。
その後結局、この日は昼間は何も無く、前夜祭と翌日にしか、ジャンヌダルクのパレードがないことがわかったので、諦めて帰ることにした。
パリに戻り、まだ明るかったので、みんなで小さい教会の中での、ソプラノ独唱のミニコンサートを聴きにいく。自分にはなじみの無い音楽だった。
コンサートが終わり、ふしぎな気持ちで帰途についた。