初夏の空に楽団の音響く (ヴィレット・パリ)

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この日はフォンテーヌブローに行った後、地下鉄を乗り継ぎヴィレットに行く。
前日のニュースで、野外コンサートをやっていると伝えていたからだ。
野外コンサートといっても、ちゃんとしたステージがあるわけでもない。
普段着のアコースティックの楽団が、思い思い好きなところで、青空の元、演奏しているのだ。
地下鉄の駅を出て、広い公園の中を、バンドを探す。
まず見つけたのが、ジェンバと言うのだろうか、手で直接叩くパーカションの集団だった。
20人くらいで、輪になって、ドンドコドンドコやっている。
周りには人だかりが出来ているので、側の遊具によじ登り、高いところから楽団を見、一緒にドンドコドンドコ調子をあわせる。
さんざんドンドコやり、終わる。
仕方なく別のバンドを探す。歩くリズムに、まだその名残が残っている。
太ったおじさんたちが巨大な管楽器を担ぎボワボワやっている。
おじさんたちは、後ずさりしながら、ボワボワ~と密集していく。
そのそばに別の楽団が通り過ぎていく。サックスやバグパイプなどの集団だ。10人以上いる。
一番最後にいた、横笛を吹く女の子がかわいかったこともあり、音楽にのってついていってしまう。
ハーメルンの笛吹きについて行った子供たちも、こんな楽しい気持ちだったんだろうなと思う。
幸い楽団は壁のところでとまってくれたので、そのまま何処へと連れ去られることはなかった。
そのまま演奏を続ける。みんなそれぞれの楽器をノリノリで吹いている。
途中でロマのような、ほりの深い顔をした女の子が、たどたどしく音楽にあわせて踊る。それが妙にかっこいい。
音楽と踊りにあわせ皆で手拍子をする。
やがて演奏が終わった。拍手、拍手の嵐である。
初夏の青空の下、こんなにのんびりと楽しませてもらった。
プログラムもあって無いような、いいかげんなイベントだ。
でもみんなリラックスして楽しめる。
日本に帰った今、つくづくこのような時間、そしてイベントが恋しく思えるのである。