西洋音楽の歴史
高橋浩子 中村孝義 本岡浩子 網干毅 編著
東京書籍 発行
1996年3月29日 第1刷発行
ヨーロッパの中世が始まる9世紀から現代に至るまでのヨーロッパが育んできた音楽の歴史を述べています。
中世において音楽は、あくまで自由七科の一つを占める学に他ならなかったように、決して感覚的次元の問題として済まされる対象ではなかった。
ヨーロッパの音楽は良くも悪くもキリスト教と密接に結びつき、共に歩んできたという歴史的事実はしっかり押さえておく必要がある。
ヨーロッパ中世の音楽は古代の世界から二つの大いなる遺産を受け継いだ。
いま一つはヘブライの音楽実践
8~9世紀にかけて、聖歌の歌詞だけを記した写本が作られた
10世紀に楽譜つきの聖歌集が成立した。西ヨーロッパに残る最古の楽譜である。それまでは口伝の世界だった。
このような手写本作成はすべて修道院で行われた。
中世、ゴリアールという遍歴学生や放浪する聖職者たちによる世俗的な音楽の記録が残されている。
内容は、酒と女と諷刺であった。
何も弾かないピアニストを登場させることにより、その間に聴衆が聞いた様々な周囲の音や沈黙が音楽の内容という、まさに禅問答のような作品だった。
(ジャスピアニストの山下洋輔さんもこの作品に演奏していたのを、山下さんご本人のエッセイで読んだことがある)