フランス中世歴史散歩

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フランス中世歴史散歩
ジーヌ・ペルヌー/ジョルジュ・ペルヌー 著
福本秀子 訳
白水Uブックス 1110
2010年1月30日 発行
 
この著者のレジーヌ・ペルヌーさんについては、ジャンヌダルクについて調べているとき、著書でお名前をみかけました。
この本の著者紹介によると、ジャンヌダルクの世界的権威で、中世女性史等の専門家であるとのことです。そして中世は暗黒の時代ではなく、中世こそ人々は自由な生を営んでいたことを書いてこられたそうです。確かにこの本を読んでも、残酷で悲惨な面は少なく、スラスラ楽しく流れるように読むことができました。
舞台はフランス全土にわたっています。各地の中世のエピソードを詳しく述べています。いわゆる観光都市だけでなく、結構小さな町なども取り扱っており、さすがに地元の研究家ですね。
自分としては場所のイメージがわきやすく、少し前に読んで興味を持った中世パリの大学等について書かれていた、イル=ド=フランスのところが一番よかったです。
当時の学生たちはスト権を持っていたり、また剣を握り街中を駆け巡るけんか好きでもあった、というところは意外でした。
まあフランスでは今でもストが盛んですし、また若いエネルギーによる学生運動などは今の世界でもよくあることですので、不自然ではないのかもしれませんが・・・。
 
以前、このペルヌーさんと訳者の福本さんにより、フランス中世の旅を企画して人気を博したそうです。
確かに申し込みが殺到したのもわかります。自分はツアー旅行とかは苦手なのですが、このような明確なテーマがあり、優秀な先生と通訳の方がおられるのなら、ぜひ行きたいものです。