フランス大統領選についてごにょごにょ思う

フランス大統領選、第一回投票が終わり、オランド氏が一位、サルコジ氏が二位で決選投票に残る、とのこと。
決選投票は現時点でも、まだオランド氏が優位とのことだ。
また別の最新ニュースでは、サルコジ氏とリビアカダフィ大佐との関係や、ストロスカーン氏がらみの陰謀の話まで出てきている様子。
まあ選挙直前で、スキャンダル話が出てくるのはしょうがないにしても、やはりこんなところにもサルコジさんの勢いの無さが出ている。
今回はオランド氏の魅力というよりか、サルコジさんに対する信任投票の面が強い。
外側から見ると、仏独のメルコジともいえる良好な関係を中心として、欧州経済危機をなんとかしのいでいるようにも見えるのだが、フランス国民にすればいろいろな不満が鬱積しているようである。
景気がよいときなら避けられるような不満も、不景気ではもろにかぶってしまうのが政治家。
能力云々を越えた天の力というか、まあ気の毒な面もある。
せめて右派勢力をまとめられたらいいのだが、それも難しそうである。
まだ左派の方がしっかりしているような印象もある。
よってオランド氏当選となりそうだが、まあそれで劇的によくなるとはとてもじゃないが思えない。
多くの公約が破られ、もし守れたとしても新たな財政支出でより財政も悪くなるだけ、という気がする。
なかなか緊縮財政も民主主義社会では継続が難しい。
経済発展の面を重視などと言っているが、結局それも緊縮財政に我慢できない国民のガス抜きのような気がする。
よってオランド氏当選
      ↓
ドイツとの関係が弱くなる。また緊縮財政に対する仏独を中心とする締まりが弱まる
      ↓
さらなるEU諸国の財政危機
 
などという暗いシナリオしか描けなくなってしまう。
そしてEUの同盟も弱くなり、欧州全体の連邦化への道も閉ざされてしまう。
日本の政権交代の後でも思ったのだが、変化を望んでそれが実現されても、前よりもっと悪くなることも十分ありうる。
本来すべき再構築をしようにも、甘い非現実的な公約に縛られて身動きがとれないような事態になりかねないのではないかと、フランスに対しても心配になってしまうのである。