ルドヴィシの石棺(アルテンプス宮、ローマ国立博物館)

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これは、ルドヴィシの大石棺(グランデ・ルドヴィージ)と呼ばれるものです。
この石棺は、ローマ皇帝デキウスの息子で、共同皇帝の地位にあったエトゥルスクスのものだそうです。
二人とも、蛮族相手の戦闘中に死んでしまい、エトゥルスクスの母が死を悲しんで作らせたそうです。
ローマ帝国にとっては、彼らの生きた三世紀は危機の時代であり、皇帝も短期でかわっていく迷走の時代でした。
 
この作品の構図は一見ごじゃごじゃして見えますが、中央上の死者の頭を頂点として、二等辺三角形の中に蛮族を押し込んでいます。
そして左右上方にはローマ軍人の直立像を配し、まとまりをつけています。
 
 
塩野七生ローマ人の物語スペシャルガイドブックおよびエクラン 世界の美術7を参考にしました)