ローマ人の物語ⅩⅤ 帝国以後

西ゴート族の族長オドケアルにより、西ローマ帝国の帝位に誰もつかなかった事により「一応」、ローマ帝国の歴史は終わる。
それぞれの地域で、蛮族による支配。アングロ・サクソンケルト、フランク、ブルグント、バスクなど、現在につながる歴史。
イタリア附近の地域を支配するオドケアル。
しかしテオドリックにより、東ゴート王国として、その地域を新たに支配する事になる。
その後33年もの期間支配するが、死後後継者の問題で東ローマ帝国がその触手を伸ばしてくる。

東ローマ帝国ユスティニアヌス大帝。ハギア・ソフィアという壮麗な教会の建立、「ローマ法大全」の編纂、旧西ローマ帝国領の最復にその名を残す。
将軍ベリサリウスを利用し、イタリアを攻める。
戦争の間に、疲弊する大地。苦しむ人々。
ローマ防衛も半ばでベリサリウスは召還。
君主は決定するが責任はとらず、臣下は決定権はないが、責任は取らされるという専制君主国の悲劇。
552年、新たにナルセスがイタリアに入り、ゴート戦役の終結。その後のイタリアの圧政。
そして将軍ベリサリウス、皇帝ユスティニアヌス、ナルセスの死。
イタリアはその後ロンゴバルド族に支配される事になる。

613年、マホメッドによるイスラム教の布教の開始。
そしてビザンチン帝国は領土を次々と奪われていく。
もはや内海でなくなる地中海。
異なる宗教と、異なる文明をへだてる、境界の海に変わる。
それによりローマ世界は、実際に消滅したのであった。