ローマ人の物語ⅩⅢコンスタンティヌスの時代

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ディオクレティアヌス退位の後、四頭政は殆どもたなかった。
東西正帝・副帝プラス、前正帝や前皇帝の実子も名乗りを上げ、6人で争う混乱状態になってしまう。
まず正帝リキニウスと副帝コンスタンティヌスが手を結び、マクセンティヌスを敗北に追い込む。
そしてローマ入りしたコンスタンティヌス、正帝に昇格し、凱旋門まで建造される。
しかしまもなく、リキニウスとの同盟関係は早くも崩れ去る。
コンスタンティヌスは戦いに勝ち、リキニウスを引退に追い込み、1年程して彼を死に至らしめる。
そしてコンスタンティヌスが唯一人の最高権力者となった。

彼は新しき首都、新しき政体、そして新しき宗教による、新生ローマ帝国を打ち立てる。
まず首都はビザンティウムに建設する。
そして元老院を実権のない、名誉職的なものにおとしめす。
そしてキリスト教を公認である。

325年のキリスト教の会議、「二ケーア公会議」にて、いわゆる神とその子イエス聖霊が同意であると決定され、それを認めなかった派は異端となる。
この異端と呼ばれる説では、イエス・キリストプラトンが似たようなものになるという意見が興味深い。
つまり真実への道を説き、自分の考えに殉じたという点だ。
しかしイエスの方は、たとえ論理的とはいえなくても、復活し昇天することで「不可知」となったことにより、救済を象徴した事となった。
そして他の人間にも救済の希望を与え、それがキリスト教の発展につながっていったのである。

ある人の言葉に「ローマ人は三度、世界を支配した。初めは軍隊によって、ついでは法律によって、そして最後はキリスト教によって。」
そうして延命したローマ帝国だったが、その性格は全く異なるものとなってしまったのであった。

(写真はカピトリーニ美術館の「コンスタンティヌス帝頭部像」です。たくましい面構えが印象に残ります。)