ローマ人の物語Ⅵ(アウグストゥス)

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パクス・ロマーナ
ローマ人の物語
1997年7月7日 発行
塩野七生 著

カエサルの後を引き継いだ、アウグストゥスが、死まで、いかにローマの国づくりを進めて行ったかを、著述している。
カエサルという超人に見出され、後継者の一人となった彼。
統治形態を作るため、元老院の改革や国勢調査、通貨改革から食糧安保まで、地道な改革を粛々と行っていく。
スッラのような恐怖政治でもなく、かといってカエサルのような天才的な弁論術を持っていなかったにもかかわらず、したたかな政治家として統治していく、見事な手腕。
軍人としては物足りなかった。しかしそれを補うがごとくカエサルにより見出されたアグリッパという存在により、対外政策も進めることができ、ローマによる平和をもたらしていく。
さらにローマの防衛線をライン河からエルベ河にするためのゲルマン人との戦い。
ティベリウスらによりゲルマンの地を征服していく。
しかし後継問題もからみ、ティベリウスは一時ロードス島に隠遁。
後継者には、自分の血を残したい気持ちのアウグストゥス
しかしなかなか上手くいかず、さらに娘など自分の子孫の不祥事もおこる。
結局、ティベリウスは戦線に復帰。お互いの恩讐を越えた、「見たくないものも見える」二人の和解。
そしてエルベ河までローマ軍は達するも、その後アルミニウス率いるゲルマン兵に皆殺しにされる。
所詮戦争なんて地獄絵図。
その後防衛線をライン河に戻す。
77歳の夏、神君アウグストゥスナポリにて死す。