中世の祝祭

イメージ 1

中世の祝祭
伝説・神話・起源
フィリップ・ヴァルテール著
日本語序文 樺山紘一
訳者 渡邉浩司 渡邉裕美子
2007年4月5日 第1刷

フランスを中心とするヨーロッパのカーニバル(カルナヴァル)や風習、神話や、聖人の伝説などについて、それぞれの起源を詳しく取り上げている。
キリスト教の地域ゆえ、それにちなんだものだが、実際の起源を掘り下げていくと、キリスト教が広まる前のケルトなどの文化にぶつかってくる。
キリスト教布教のために、どうしてもその当時、現地に存在した宗教的なものに、上手くキリスト教を迎合させていったといえる。

写真はアヴィニオンのサン・ベネゼ橋である。
この橋はベネゼという羊飼いが天啓により建設したと言われている。
最初彼はその考えを司教に伝えると、嘲笑の的となる。
しかし彼は宮殿の巨大な石を、軽々と運んでいき、橋を完成させるに至った、とある。
そのような信じられない偉業は、巨人の偉業をキリスト教化した挿話である。
またケルト神話では、河の両岸をつなぐ橋の建設者は、常に特別な存在である。
異界に通じる道ともいえる。
そのような深い意味を含んでいるとのことである。