凱旋門のようで凱旋門でないオランジュの凱旋門

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オランジュ凱旋門

 

オランジュ古代ローマ劇場を出て、別の古代ローマ遺跡である凱旋門を見に行きます。
一応凱旋門と呼ばれていますが、古代ローマ時代には、首都ローマで建てられたものしか正式な凱旋門と認められなかったそうです。
オランジュのこれは厳密には「♪凱旋門のようで凱旋門でない、ベンベン♪それは何かと尋ねれば♪」という感じでしょうか。
で、何かと答えると、現在のオランジュの街の北部に位置している建造物です。
元々はアルルとリヨンを結ぶアグリッパ街道のオランジュへの北の入り口に、紀元前20年頃建造されました。
高さ22m、幅21m、奥行き8mの門で、このような記念の門としては、ローマ領土内で3番目の規模を誇るそうです。
こちらもローマ劇場と共に、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。

 

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オランジュ凱旋門の主な浮き彫りのある位置

 

こちらはオランジュ凱旋門を真正面から撮った画像です。
前に人がいてくれてますので、凱旋門の大きさの見当がつけやすいですね。
そんなことを書くと、「俺はタバコの箱ではない!」と叱られそうですが。
ここでは浮き彫りの内容について書いてみます。
一番上の赤の部分は戦闘場面だそうです。
オランジュに入植したローマ兵軍団とガリア人あるいはゲルマン人との戦いだそうです。
その下の水色の部分は軍船のパーツらしきものが彫られています。
ローマの海上での覇権という意味もあるのかもしれませんが、アウグストゥスが海戦で勝利していることから、この凱旋門アウグストゥスを讃えたものだという説も有力です。
その下の黄色の箇所は盾などの武器が表現されているそうです。
なお、この写真を撮ったのは2001年なのですが、2010年に大規模な修復が行われたので、現在ではもっとクリアに浮き彫りを見ることが出来そうです。

(週刊ユネスコ世界遺産 第30号、及び「遺跡で実感!古代ローマ」のHPおよびLe Théâtre Antique et le Musée d’OrangeのHPを参考にしました)