ディナンのシンディーローパー

モンサンミッシェルに泊まった翌日、中世の町ディナンに行く事にする。
タクシーを呼ぶ。そこからの途中、別のホテルに寄ってもらい、荷物を置く。このホテルの前からはモンサンミッシェルの遠景が楽しめる。
タクシーでポントルソンの駅まで行ってもらう。帰りの時間を言い、また迎えに来てもらうよう依頼する。
電車に乗り東に向かう。電車はそんなに混んでいない。しかし我々の斜め向かいに座っている女の子が気になる。シンディー・ローパーみたいな感じの子が寝入っていた。
しばらくして車掌が検札のために回ってきた。その子を起こしにかかる。なかなか起きなかったが、まじめな車掌はなんとか起こし、きちんと検札を済ませて行ってしまった。
その子は我々に気づき、寝ぼけまなこでにらんでくる。アルコールだけでなく、ひょっとしたら薬物も入っているような感じである。そしてぼそぼそ何か言い始めた。
あまりよく聞こえなかったが、「シノワ・シノワ」という言葉が聞き取れた。どうやら中国人にみられているようだ。中国の方に間違えられるのもよくあることで、なんとも思わないが、なにぶん相手はラりっている状況である。からんで来るなよと念じるしかない。
幸いからまれることなく、無事乗換地に到着する。出口の近くの席に、闘犬を連れている兄ちゃんがいて少しビビるが、サササと通り過ぎる。
ディナンに無事着く。城壁に囲まれた街である。海からは離れているものの、入り江のような川があり、ここもバイキングなど、海からの外敵から防御せざるを得なかった町の状況がうかがえる。
石畳の通りをどんどん降りていく。途中に堅固な門がある。川のところまで降りると、船着場になっている。また巨大な陸橋が渡っており、下から見上げる。
土産物屋に行く。イギリスの新聞がたくさん置いてあり、フランスの辺境、イングランドの向かいという地理的状況を実感する。
街を巡り、西に戻る。途中ドル・ド・ブリュターニュという小さな町にも寄ってみる。一応名所となっている小さな聖堂を見学する。特に観光地としての場所でもないが、案内所のちらしをみると、ブリュターニュ地方の中心地で観光拠点ですよ、と精一杯のPRをしていたのが面白い。
再び電車に乗り、ポントルソンに戻る。やばい客はいない。駅に近づくと、朝のタクシーの運転手さんが、ちゃんと待ってくれているのが見え、嬉しくなった。