サルトル、世界をつかむ言葉

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サルトル、世界をつかむ言葉
渡部佳延 著
2013年8月5日 初版第一刷発行
 
サルトル入門のために72の言葉を取り上げて、説明した本です。彼の思想や哲学だけでなく、人生や人間関係についてもそれらの言葉を通じて知ることが出来ます。
 
実存主義は1945年から47年ごろまで、戦後特有の暗くエネルギッシュな中で、独特の風俗を生んだ。サン・ジェルマン・デ・プレに集まってきた若者がその主役だった。そしてサルトルボーヴォワールが「王」と「女王」に擬せられた。
戦後の焦土を背景に、緊張した生を強いられた人間の「現実存在」(実存)を思索の中心にすえ、大戦後の大きなトレンドとなった。
20世紀に特徴的な人間の条件という暗い背景は持ちつつも、明晰にしてヴィヴィッド、主体に全幅の信頼を置き、あえて世界への責任も負う、ポジティブな哲学に変身する。
 
カフェのボーイを考えてみる。彼は類型的で大げさな身振りをすることにより、客の前でその身分を演じようとしている。しかしその内部ではその職能から全く自由な意識が働いている。
人間を「即自」にしてしまおうとする自己欺瞞的な行為と、実際にはそれを不可能にしている意識の脱自性の例として挙げられ、自由であるべく呪われている人間の意識を分析している。
 
小さなころからラルース大百科事典など、本を読み続けたサルトル
12歳のとき「神はいない」と思い、その件はそれでことが終わった。
少年時代ラロッシュルでのいじめや、外斜視のコンプレックス、戦争への徴兵や捕虜生活、そして友人関係や愛人関係、悩んで大きくなっていったんですね。