図解 使える哲学

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図解 使える哲学
KADOKAWA 発行
2014年12月28日 第1刷発行

ソクラテスからハーバード白熱教室マイケル・サンデルまで、50人の哲学者の思想を簡略にまとめています。

プラトンによる「イデア」という概念
イデアはもともと物の姿や形を意味する言葉
しかし形と言っても私たちの目に見える形ではなく、いわば心の目によって洞察される物事の真の姿、事物の原型のことを指している。
目に見えるものに対して、批判的な眼差しを向け、理想の姿を思い浮かべる。理想は心の目にしか見えない
(星の王子様の「大切なものは、目には見えない」という言葉を思い出した)

マキャヴェッリの共和政の概念
君主政、貴族政、民主政の三つが混合されたものが最善の政体である
(日本で言えば天皇世襲議員、その他の議員、という感じになるのだろうか?)

ベーコンのイドラという概念
イドラとは偶像。要は偏見や先入観、思い込みのこと
感情や感覚により知性が惑わされる
教育や人物、本などが原因で狭い考えに入り込んでしまう
あたかも市場で聞いた噂話を信じてしまうように、言語による思い込み。
現代ではネット上に氾濫する言説がその原因か
権威や伝統への盲従

福祉国家自由主義、平等主義的な自由主義
正義とはいかにすれば公正な分配ができるかということ
政治的には自由を保障しつつ、経済的には平等を志向するということ
個人の自由を最大限に尊重し、最小国家論を唱える。
政府に対し不信感を抱き、その一方、市場には絶大なる信頼を寄せる

アーレント なぜ独裁者が登場するのか?
ナチズムとスターリン主義
第一次世界大戦の終わりと共に階級社会が解体し、大衆社会が到来した。
大衆社会と言うのは、社会に無関心な人々の集合体
大衆社会ではばらばらな孤独感を感じるため、共同幻想のようなものを突きつけられると、すがるように引き込まれていく。
その中身のない共同幻想に対し、皆が目を覚まさないように、秘密警察をつかって恐怖でしばりつける。
結局、人々が自分で物事を考えずに、人任せにしてしまうことから全体社会が生まれ、独裁者が登場する。
それに抵抗する手段は、複数性、つまり複数の意見があること