ユネスコ「無形文化遺産」 生きている遺産を歩く

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生きている遺産を歩く
国末憲人 著
2012年9月12日 初版第1刷

無形文化遺産となりうるものとならないものの違いは?
コミュニティの伝統があるかどうか
ユネスコ無形文化遺産の条件として
①伝統的だと認証され、味わい深いと見なされ、単なる金儲けだけではない、人間の活動の総体
②文化コミュニティーの中で共有され、象徴的なアイデンティティーと見なされ、世代から世代から世代へと伝統として受け継がれていくもの

第1章 それぞれの姿を訪ねて
スペイン東南部の街 エルチェの神秘劇
イラクの「マカーム」と呼ばれる独特の音楽形式
無形文化遺産の場合 4つのリスト
・代表リスト
・緊急リスト
・「ベストプラクティス」リスト
・「二万五千ドル以上の国際援助」リスト
変り種の遺産
・スペイン カナリア諸島のゴメラ島に残る「指笛言語」
・スペインの地中海岸の灌漑法廷
第2章 生きている遺産
マダガスカルの「ザフィマニリの木彫り知識」
日本の「結城紬
ベラルーシの「ツァーリの訪問行事」
第3章 継承の現場から
グルジアの「多声合唱(ポリフォニー
コルシカ島男声合唱「パギエラ」
第4章 空間を守る
個別の芸能や祭礼のような文化表現だけでなく、表現の背景にある人々の暮らしぶりや生活哲学にも関心が向けられるようになった
その総体を表す言葉が「文化的空間」
代表例 モロッコマラケシュ中心部にある「ジャマ・エル・フナ広場」
ラトヴィアの「スイティの文化的空間」
スイティはラトヴィア西部、バルト海に面した402平方キロの一角
第5章 無形文化遺産の誕生 
知的所有権からのアプローチ
無形文化財的アプローチ
知的所有権については「サイモン&ガーファンクル」の「コンドルは飛んでいく」
第6章 迷走する委員会
日本の貢献と議論の撹乱
第7章 コミュニティの幻想
ラトヴィアの「リヴォニア語」
話者が最後の一人となった。その女性は若い歌手
第8章 再生への道
チェルノブイリ制限区域や福島での、コミュニティーが消えたところでの無形の文化が果たす役割