白猫スマイリーの奇跡の猫背①

 
ある初夏の日の朝、ベルギーのブリュッセルから西へ向かうTGVの中、子猫がバスケットの中でどきどきしていました。
その猫の名はスマイリー、黒いお鼻以外は全身真っ白で、小太りののんきな子猫です。飼い主のFちゃん夫婦、そしてかわいい妹猫のハッピーと一緒にブリュッセルから、フランスのアミアンに向かっているのでした。
アミアンには世界遺産である大聖堂があります。
そのライトアップのショーがみんなの一番のお目当てなのでした。
 
お昼過ぎにアミアンに着きます。
日中は、大聖堂を見学したり、歩行者天国をうろちょろしたり、大聖堂の見える運河沿いの公園で遊んだりしました。
そしていよいよお待ちかねの夜がやってきました。
大聖堂の前は、人だかりができています。
白いファサードを、色鮮やかな光が照らし出します。
そうすると、あたかも彫像が白黒からカラーになったように浮かび上がってくるのでした。
観衆はみんな見とれています。
あまりの美しさに感動したスマイリー、思わず興奮してFちゃんたちのもとを離れ、ファサードに向かって走り出し、そのまま壁によじ上ってしまいました。
強烈な光がスマイリーに襲い掛かります。
その光を受けたスマイリ-、あまりのまぶしさで目がぐるぐる回り、次第に気を失っていくのでした・・・。(続く)
 
(めぐみい様のブログの記事を参考にして、呑気に空想を広げてみました)