新装版 図説 大聖堂物語
ゴシックの建築と美術
佐藤達生 木俣元一 著
2011年1月30日 新装版初版発行
以前、この本は読んだことがあったのですが、新装版となったので、改めて読んでみました。
この新装版の表紙は初版とは変更されていました。
「川辺の中世都市」という題の、空想上の中世都市と大聖堂を描いた絵画を使っていました。
内容はゴシック大聖堂の誕生の由来から、各部の名称図、そして大聖堂の大いなる空間や建設の苦労、ステンドグラスや石像などの美術面、さらにはガーゴイルや聖遺物など、コンパクトなサイズにもかかわらず上手くまとめられています。
大聖堂内部の写真や建設当時の絵画なども豊富です。
薄い壁にもかかわらず、高い天井、建物としての強度は弱く、それをいかに克服したか(あるいは当初の構想が不可能になった大聖堂もある)話も興味深いですね。
最後の章ではおもな大聖堂を載せていますが、やはりフランスが一番多いです。
自分もフランスの象徴としてはゴシック大聖堂をあげたいなと思っているくらいですから・・・。
イタリアではシエナ、ミラノそしてフィレンツエの大聖堂が紹介されていました。
大聖堂自体、大変大がかりなプロジェクトであるため、お金もかかります。
イタリアは大聖堂にはそれほど執着しなかったおかげで、のちのルネサンスを生み出す力が蓄えられた、という説もあるそうです。