
NHK カルチャ―ラジオ
歴史再発見 EU・ヨーロッパ統合の政治史~その成功と苦悩
2011年1月1日発行
児玉昌己 著
第二次世界大戦後、EUにより「非戦共同体」と形容すべき平和の空間を獲得した。
EU内の関税同盟。この中では構成国は関税自主権を喪失しているだけでなく、対外共通関税を設定している。これはEU以外にない。
選挙は直接選挙で比例代表制である。立法発議権はないが、立法発議請求権を得た。
ヨーロッパ統合運動においては、1949年に設立された欧州審議会(評議会)がある。しかしこれは単に加盟国の議会の代表で諮問的役割しか与えられなかった。イギリスとスカンジナビア諸国のヨーロッパ統合に対する距離を反映したものだった。
朝鮮戦争の勃発は、ヨーロッパの地においても防衛構想を切実な課題として突き付けた。それにより欧州防衛共同体(EDC)の構想に至るが、フランス国民議会で否決されたことにより消滅する。