ギリシャを走り、革命議会を内包しながら走る村上春樹さん

走ることについて
語るときに
僕の語ること

村上春樹 著
文藝春樹
2007年10月15日 第1刷発行

アテネからマラトンまで、ほぼマラソンと同じ距離を、走る村上氏。
ランニングパンツ一丁で、夏のギリシャの暑い中を走り抜ける。
添付の写真で、頬杖をついて、なにやら難しい表情をしている村上氏。
キャプションには「完走後、ギリシャ式のレストラン兼カフェ、タヴェルナでくつろぐ。」とあった。
ポーズをとったように深刻な表情の村上氏と、「くつろぐ」と表現にはギャップがあって、思わず笑ってしまいました。(すみません)

北海道サロマ湖で、100キロマラソンを走る村上氏。
55キロから、75キロの間の苦しさを
「強い不満を抱え、反旗を翻そうとするラディカルな革命議会をダントンだかロベスピエールだかが弁舌を駆使して説得するみたいに、僕は身体の各部を懸命に説き伏せる。」
のように表現する。
75キロあたりで、苦痛がすうっと抜ける。
「一時は沸き立っていた筋肉の革命議会も、今ある状態についていちいち苦情を申し立てることをあきらめたようだった。もう誰もテーブルを叩かず、誰もコップを投げなかった。彼らはその疲弊を、歴史的必然として革命的成果としてただ黙して受容していた。」

メモのメモ
最近、村上春樹氏の本ばかり読んでいます。「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」「海辺のカフカ
「やがて悲しき外国語」「遠い太鼓」(これは再読)などなど。