ニームの垂直式日時計(正午計)

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ニームの垂直式日時計(正午計)

 

前回、ニームの写真は一枚だけと書いていましたが、改めて確認すると、今回の写真も引き続きニームで撮ったもののようです。
いわゆる「日時計」です。市役所周辺で撮ったものだと思われます。
このような壁に取り付けた日時計は「垂直式日時計」と呼ばれます。
更にこの画像のように、数字がⅫだけしかないような日時計は「正午計」と呼ばれます。
このような正午計の用途については、ジャック・アタリ著の「時間の歴史」(蔵持不三也訳, 1986年, 原書房, p.178)に書かれているそうです。
…1750年、カサノヴァは『回想録』にこう記している。≪庭には沢山の人がいたが、彼らは皆じっと空を見上げていた。空に何か素晴らしいものがあるのだろうか。実は(太陽の)南中に注意していたのだ。誰もが手にした時計を正午に合わせようとしていたのである。≫。…
16世紀頃より普及を始めていた懐中時計は、1日に20分余の狂いが生ずるのも珍しくないという有り様で、毎日調整する必要があったそうです。
もちろん現在では、そんな使い方されていないですが、装飾的なものとして残されていたのだと思います。
あと、数字の8を縦長にしたような線は、一年を通した同位置、同時刻の太陽の運動軌跡(アナレンマ)をあらわしていると思われます。
地味ながら、過去の科学技術の名残をさりげなく保存してくれているのは、ありがたいものです。

(「日時計の部屋」のHPおよびwikiを参考にしました)