戦国時代の表と裏

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戦国時代の表と裏
渡邊大門 著
2018年8月18日 初版発行
東京堂出版 発行

この本は「戦国時代の合戦と支配」「戦国時代の生活文化」の2部から構成されています。
著者の方の本は以前読んだことがあるのですが、第一史料など、信頼のできる資料を基に歴史を考察しているので好感が持てます。

第1部    戦国時代の合戦と支配
第1章    戦国時代の支配
石見銀山において、当時の最新技術である灰吹法を用いることによって、銀の純度は上がり、産出量も飛躍的に向上した。東アジア最大規模で、世界でも第二位で、世界の三分の一を算出していた。一位はメキシコのポトシ銀山p27

第2章    室町幕府天皇・公家
戦国時代の天皇は窮乏していた。ただしそのレベルは、朝廷における諸行事を行えなかったことであり、衣食住という基本的な生活が成り立たなかったということではない。P50-51
信長が正親町天皇に譲位を迫って朝廷を圧迫した、という説があるが、それは正しくない。
どちらかというと、先例に倣い、自身も早く譲位して上皇になりたかった。

第3章 合戦の準備から戦後処理まで
 
第4章 合戦における軍配師の役割
軍配師は、大将の配下にあって、戦陣で計略や作戦を考え巡らせる人。
軍師という言葉は江戸時代に生まれたもので、軍配師が正しい呼称

 第5章 合戦で用いられた武器
戦国時代だと、鉄砲や弓矢により遠隔攻撃を仕掛け、槍部隊が突撃するというスタイルが一般的になった。
槍は戦いの経験が少ないものでも使いやすく、なおかつ刀や鉄砲よりも大量生産ができた。p121

 第6章 戦国合戦と城郭
戦国時代、一般的に東国の城は土の城で、石垣の代わりに土塁が築かれていた。
逆に西国の城は石垣が築かれていた。p129

 第7章 戦国大名と御用商人
戦国時代の商人と言えば、城下町を拠点とする御用商人が主役だった。
彼らは商人司に任命され、特権を保有していた。
商人司とは、領内の商人の統制、行商の取り締まり、定期市などの興行・開催、各種商業税の徴収代行を行っていた。p147

第2部 戦国時代の生活文化
 第8章 戦国時代の教養・娯楽
教養としての和歌・連歌
一種のステイタスであった茶道
娯楽としての碁・将棋・笛・尺八
武芸の鍛錬として一体化した鷹狩・競馬・相撲
社交場のたしなみである能・幸若舞・歌舞伎

 第9章 戦国時代の宗教
戦国時代は神道・仏教・キリスト教修験道など寛容で多方面にわたっていた。
信長は無神論者というわけではない。積極的に寺社保護も行っていた。比叡山の焼き討ちは、彼らが敵対行為に及び、僧侶としての本分を果たしていなかったからではないか。p194-195

戦国大名キリスト教に改宗した理由は、海外との貿易と封建支配の実現にあった。
しかし彼らの中にはキリスト教の教えを理解し、心から信仰した人物もいた。

 第10章 戦国時代の食事
日本において、朝・昼・夕に食事をとる三食制が確立したのは主に織豊期(16世紀後半)といわれている。p225

 第11章 戦国大名と茶道

 第12章 戦国大名の名前の付け方
 
 第13章 戦国大名と温泉
京都に近い有馬温泉には多くの人が訪れた。秀吉、黒田官兵衛など