「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 第3~8章

ウクライナの極右勢力
それと比べるとフランスの国民戦線中道左派のように見えてしまう
最も貧しい地帯である西部地域において勢力が激烈

国際関係が合理主義的で現実的なロジックから逸脱し、未開社会ばりに道徳と道徳の間の対決に入っていくのをみれば、不安を覚える。
文化的差異が大げさに話題にされ、しかもたいてい間違って捉えられている
自分たちの道徳観を地球全体に押し付けようとするアグレッシブな西洋人は、自分たちの方がどうしようもなく少数派であり、量的にみれば父系性文化の方が支配的なことを知っておいたほうがよい

政府への貸し付けはカール・マルクスが見抜いたとおり、富裕層の持つ金の安全化だ。政府債務は民間金融機関の発明なのだ。
緊縮、すなわち、「政府債務を立て直す」というやつは、国家を私的利益に奉仕する立場に拘束し、いつの日か不可避的にやらなければならない唯一のことをできないようにすることだ。やらなければならないこととは、借金のデフォルトさ。
借金をする国家は、法的拘束の専有のおかげで、金持ちたちが彼らのお金を最大限安全に保有し、蓄積できるようにしてやるこっかなのです。
債務デフォルトは、民主主義的な理想によって国家を再征服する端緒となるでしょう。現状では、国家は金融寡頭支配層によって略奪され、金を脅し取られています。
(ただやはりデフォルトによる混乱は恐ろしいと思う。そしてその混乱の犠牲者はやはり貧しい人が最後にはかぶるような気がします)

ヨーロッパ内で戦争が起こるという脅かしは、システムが振り回すさまざまな武具のうちの一つです。
この疲れ果てた大陸で起こりようのないものがあるとすれば、それは戦争ですよ。
危険は、生活水準の低下や教育システムの内部炸裂や公共サービスの破壊からくるのです。

もしトッドさんがフランス大統領になったら
①欧州の保護主義的再編成について、ドイツ相手にタフな対話を始める
②主要銀行を国有化する
③政務債務のデフォルトを準備する
④国民教育省統括下の学校制度に新たに10万のポストをつくる

(この本を通して、あまり感じていなかったドイツの勃興のユーラシアにおける脅威を感じ取ることが出来た。日本にとっては、ドイツと中国の関係が気になるところである。あとトッドさんはロシアに対してはわりと好意的に書いていた。自分はプーチンさんは結構好きなのだが、その一方西側の情報に接することが多いので、意外に感じることが多い。ギリシャの解決がひとまず現実的な先延ばしになった今、なかなかデフォルトなどは大変で、やはり政治家ではない学者の意見という気もしたが、根本的な解決には対処療法ではなく根本的な治療が必要だという雰囲気は見て取れた)