パスカル著 「パンセ」 解説より

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パンセ
前田陽一 由木康 訳
2014年10月10日 33刷発行
中公文庫

解説より
ブレーズ・パスカル 1623年 フランスのクレルモンに生まれる
16歳で円錐曲線論を著す
19歳で計算機を発明
23歳で真空に関する実験と研究を行い、その後数年にいわゆるパスカルの定理をはじめ幾多の物理学上の偉業を完成
23歳の頃より、ポール・ロワヤル派の厳格なキリスト教に心惹かれた
1651年 父死亡の後二三年は信仰が幾分冷却し、モンテニューを愛読し、社交界にも出入りする、いわゆる「世俗時代」を送る
1654年11月23日の夜の深い宗教体験以来、熱烈な信仰生活に入る
1662年39歳の若さで他界
パンセは未完成のキリスト教弁証論のための下書きや覚え書を資料とする遺稿集

ルネサンス宗教戦争を経た当時のフランス
全体としてはキリスト教、ことにカトリック教の権威はゆるぎなく、無神論はもちろん、少しでも正統をはずれれば異端として糾弾される
しかし底流としては、伝統的な教えに対する疑いの材料には事欠かなかった。

この中公文庫はブランシュヴィック版を
14の章に同種の内容を分属させている
この前半でパスカルは「神なき人間」の描写、すなわち生来の人間の描写を行い、人間の悲惨と偉大の両面をこもごも指摘し、「考える葦」の本質的矛盾を明らかにしている。
そして後半は主としてキリスト教の歴史的弁証に関するもの